夏のオーストラリアで積雪
BSニュースをご覧の方は既にご承知のように、ヨーロッパからモスクワ、アメリカに至る北半球の高緯度エリア一帯が、11月後半から二度、三度と猛烈な寒波と大雪に襲われており、
クリスマス前後から今週にかけて、道路、鉄道、空路の混乱によって生活がマヒ状態におちいっている。もはや単純な温暖化を論じている状況ではないこと
は誰の目にも明らかだ。
また、異常気象は北半球だけに留まらず、オーストラリアでは今は夏の真っ最中であるが、ニューサウスウエールズ州やビクトリア州では真夏の雪に見舞われており、
なんと、シドニー市からそう遠くない山間部では、約
30センチもの大雪となっているようである。
さらに、強風や大雨にも襲われている地域もあり、この
50年間で最悪の大規模な洪水が発生している西オーストラリアの田舎町は洪水により孤立し、畑の収穫と牛の飼育農場に大きな被害が出ているという。
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Wintry weather brings snow to Australia in midsummer
Australia normally experiences temperatures of 86F (30C) at
this time of year, but the chances of a rare white Christmas have
increased after plunging temperatures and snow swept across the
east of the country.
文字通りのホワイトクリスマスを迎えた真夏のオーストラリア
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ロシアでは冬と初夏
ロシアでは首都モスクワが寒波と大雪に見舞われ空の便や道路が閉鎖されている一方、南部のクラスダナル地方では連日20度を超す異常な暖かさ
が続いている。チューリップが咲いてチョウチョが舞い、街では、コートを脱いだ半袖姿の人々が思わぬ春の到来を楽しんでいる。しかし、人々は
突然の暖かさを喜ぶだけで、地球が大変な状況に向かっていることを実感している人はいないようだ。
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大雪に見舞われたモスクワ
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南部ではバカ陽気で半袖の夏姿で歩く人の姿が見える |
フランスでは大雪で町が孤立
フランスでは今年の12月は40年で最も寒い冬を体験しているが、西部や北部地方では、先週末に降った大雪で、今もなおパリからわずか20キロの町が孤立し、外部との行き来が出来ない状態が続いている。
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孤立した村の雪かき |
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アメリカは南部のアトランタでも大雪
26日から27日にかけて、ニューヨークでは190年ぶりの記録的な大寒波に見舞われた。クリスマス翌日の26日から丸一日ブリザード(暴風雪)が吹き荒れ、27日の朝にようやく止んだものの、積雪量は平均50〜80pを記録、高速道路も危険な状態が続いており、人々の生活は停止状態に追い込まれている。
アメリカ東・ニューイングランド沿岸では暴風雪警報が発動され北東部の一部は猛吹雪となっており、ニューヨークはケネディー国際空港など3つの空港が閉鎖され空の便に影響が出ている。また、フィラデルフィア、ボストン、プロビデンス、ポートランドでも大雪による非常事態宣言が発令され市民は外出が出来ない状況に追い込まれている。
本来暖かいはずの南部のアトランタでも寒波と大雪で、アトランタ国際空港が発着陸が出来ず、2500便が欠航。 空港は足止めされた乗客で溢れ帰り、空港というよりホテルの様相を呈している。
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大雪に見舞われたアメリカ南部のアトランタ市街
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一方、ロス在住の都築純氏からの情報によると、西海岸のロサンゼルスでは西オーストラリア同様、北部の山側とオレンジカウンティ海岸部では、土砂崩れや鉄砲水などによって車が流されたり家屋や店舗が土砂で埋まり、一部の小型自家用機用の空港ではセスナが翼まで水没する状況が発生しているようである。
これだけの地球規模の異常気象が断続的に発生しているというのに、日本のマスコミ、特に新聞報道では一向に取り上げようとしていない。相も変わらず民主党批判と小沢叩きで明け暮れている。日本のマスコミは一体どうなってしまったのだろうか。
世界の異常気象は日常の生活を脅かすだけでなく、食糧危機につながる問題だけに無視することは出来ないはずだ。まさか、中国を始め世界中の穀物や野菜などの高騰が、昨年来の異常気象の影響であることを知らないわけではあるまい。彼らには世界規模で発生している異常気象の実体をより多くの人に伝えるという、マスコミの使命をしっかりと果たして欲しいものである。