中東紛争の火の粉が飛び始めた日本
 

 


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イスラム過激派組織「イスラム国」が公開した、18人のシリア軍関係者を
殺害する映像。 これから先、こうした映像が世界の人々を恐怖に陥れることに
なりそうである。 それは「闇の勢力」の狙いでもあるからだ 。  (AFPニュース)

 
 

イスラム過激派組織「イスラム国」のメンバートと見られる男が、72時間以内に2億ドル(236億円)を払わねば拘束している2人の日本人を殺害すると脅迫する映像が20日、インターネット上で公開され、日本だけでなく世界中に衝撃を与えている。

中東から9000キロも離れた日本。イスラム教徒などいないも同然の我が国にも、とうとう中東紛争の火の粉が飛んできた。政府はフランスやイタリアなどと同様に、人命を尊重して2億ドルの身代金の支払いを前提に2人の人質の解放に動くか、それとも米国や英国のように交渉には一切応じないか、難しい選択を迫られることとなった。

武力で人質を奪回する手段を持たない我が国であるだけに、ヨルダン政府やパレスチナ暫定自治政府を通じて「イスラム国」と身代金の削減を含めて、交渉を進めることになるのではないかと思われるが、我々がこの際自覚しなければならないことは、自然災害であろうが戦争や経済危機であろうが、世界中で起きる全ての出来事が他人事では済まないと言うことである。

もう一つ大事なことは、これから先海外に出掛ける時は、例えそれが米国であろうがフランスであろうが中国であろうが、いつでも我が身に危険が及ぶ可能性があることだけは十分に承知しておくことである。私はこれまで講演会などで、観光目的であろうが仕事であろうが、私のように探索目的であろうが、日本を離れる時には2度と戻れぬ事は覚悟をしておく必要があることを、繰り返しお伝えしてきた。

私はこれまでにペルーやグアテマラに学校や診療所などを幾つか建設してきたが、その都度、そこがジャングルの奥深くであろうが、4000メートルを超すアンデスの高地であろうが、必ず現地に赴いて村人と語り合い、子供たちや父兄と喜びを分かち合ってきた。 村の様子や村人の考え方を理解しておくことは、校舎の増設など後々の支援に欠かせないからである。

しかし、ここ数年前からそれが出来なくなってしまった。その理由は、ジャングルやアンデスに向かう途中の村落に政府や地方政府に反感を持つテロリスト達が住み着き、部外者に危害を加えるケースが出てきているからである。学校や診療所など困窮している住民達を支援する目的であっても、彼らにはそれは通じないのである。

今回の人質となった2人の男性もよかれと思って行動したことと思うが、こうした事態になると結果的に、他人に迷惑をかけることとなってしまう。どなたも海外に出掛ける際にはその点を肝に銘じておいた欲しいものである。安全だと思っている観光旅行でも事は同じである。隣国の中国や韓国と言えども内部紛争の種を抱えているだけに、あまり甘く考えて出掛けないことである。

 




 

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