本土の東半分が異常な寒波に襲われている米国。 週末の寒さは一段と厳しく、
北はミシガン州から南部のフロリダ州まで7つの州の80を超す都市が凍り付いた状態となっている。ニューヨーク市も最低気温がマイナス17℃、2月の平均気温はマイナス4・2℃となっており、1895年以来の最低気温を記録。昨年の寒さもひどかったが、今年はそれよりさらに厳しい状況にあるようだ。
場所によってはー30度を超しているところもあり、ー28度を記録したミネソタ州のコールトンの市民は、目は涙目、息をするのも痛いくらいだと語っている。ペンシルベニア州とニューヨーク州の境界を流れるデラウエアー川も氷結、連日、沿岸警備隊の砕氷船が出動して氷に閉じ込められた船の救出活動にあたっている。
氷結と言えば、五大湖の氷結状況も尋常ではないようだ。
カナダと米国の境界に位置する五大湖(スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、オンタリオ湖、エリー湖)は、
総面積が24.5万平方キロメートル、台湾二つ分がすっぽりと入る世界最大の淡水湖。その巨大な五大湖の凍結面積が既に85%に達している。通常はこの時期の凍結面積は50%前後、このまま寒さが続くようなら全域氷結もあり得るようだ。
ナイヤガラの滝も見事に氷結している。 滝が凍るのは例年のこと、しかし、これだけ本格的に凍るのは何十年ぶりのようだ。 観光客は厳しい寒さの中で珍しい氷の彫刻を眺めて喜んでいるが、ここまで凍結が進むと5月まで解けないかもしれないと、ABCニュースは伝えていた。こうした一連の寒波による自然現象を見ていてさらに驚いたのは、地面が凍結して割れるという「アイススネーク(?)」と呼ばれる現象の発生であった。
南部・テネシー州の州都ナッシュビルでは数日前、ドーンという大きな音が響き渡って市民を驚かす現象が発生した。どうやらそれは、表土にしみ込んだ水が寒波で凍り付き、地面が割れて爆発したように感じる現象であったようである。日本では聞いたことのない現象だが、米国でも極めて珍しい現象で市の当局には
、驚いた市民から電話が殺到している。
読者はこれほどの寒さも言葉だけではピント来ないかもしれない。
そこで今回は、北米の寒波の凄さを読者に実感して頂くために、ABCニュースが伝えたナイヤガラやエリー湖、デラウエアー川などの氷結の映像などを、目の保養も兼ねて見て頂くことにした。