ガザ地区、遠い復興に失望する市民
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イスラエルの攻撃で破壊され尽くしたガザ地区の現在の状況。 6年間に3度の戦争は
人々の生活を奪い、残されたのはすさんだ心と荒廃した土地だけである (イギリスBBC)
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シリアの内戦やイラクのイスラム国との戦闘が一向に先行きが見えないまま、事態は泥沼と化して来ており、さらにリビアやイエメンなどの内乱も次第に激しさを増している。また、停戦状態に入っているウクライナ情勢も完全停戦にはほど遠い状況で、ここに来てクリミアに続く都市で新たな戦闘再開の徴候が見え始めている。
激しい戦闘が行われたデバリツェボ地区では、多くの家々が破壊され、90%近くの人々が避難しているが、残された人々はこの1ヶ月間、
厳しい寒さの中でガスも水も電気もない厳しい生活を余儀なくされているようである。
一方、停戦から6ヶ月が過ぎたパレスティナのガザ地区も、復興にはほど遠い状況にあり、今もなお11万人ほどが避難生活を余儀なくされており、デバリツェボ市民と同様、インフラが全て止まった状況下で厳しい暮らしを余儀なくされて人々もいる。学校で暮らしている
1万人余はまだ恵まれている方であるが、そうした人々によって学校が閉鎖され
てしまっているため、子供たちは教育を受けることが出来ないままとなっている。
それゆえ、市民はガザ地区を事実上統治しているハマスに対して失望し、苛立ちを強めている。復興が進まない要因は幾つかあるが、先ず
その一番の要因は、イスラエルによる経済封鎖が完全に解かれていないため、復興に必要な建設資材や重機などの持ち込みが止められていることである。
停戦合意がいかにイスラエルの力ずくで行われたかを示している。
二つ目の要因は、次の戦闘がいつ起きるか分からない状況にあるため、国際社会が約束した2500万ドル(2億8000万円)の寄付と54億ドル(5800億円)の支援金の大部分が未だに支払われていないこと。三つ目の要因は、パレスチナ自治政府とハマスとの間の内輪の論争が続いていることである。
カルマを積み続けるイスラエル
戦争が再び起きるのではないかと恐れているのは国際社会だけではない。ガザに住む住民たちも同様な不安を持ち続けている。今年はブラッドムーン(血の月)と呼ばれる皆既月食とユダヤ教の重要祭事が重なる年だけに、
もしも戦争再発となると、イスラエルが仕掛ける戦闘は一段と大規模なものになる可能性が大きい。
その時には、戦力が大人と子供ほども違うパレスティナの敗北は目に見えている。
なにしろ相手は米国から密かに渡された技術で開発した核弾頭を保有し、米国製の最先端の戦闘機を備えているのだ。
的中率も定かでない旧式のミサイルしか持たないハマスの戦闘部隊が、とても勝てる相手ではない。
それでも住む場所を確保のために戦わねばならないのだから、ハマスの兵士たちは大変だ。
そんなガザに住む人々の心境を考えると心が痛む。 しかし、それはみな中東という土地とそこに住む人々が背負ったカルマのなせる技であることを考えると、
これから先も、争いは避けては通れそうもなさそうである。 せめて戦闘行為が大規模なものにならないことを願うのみだ。
2000年も昔に捨て去った土地を、元々自分らの住んでいた土地だから返せと理不尽な理屈で奪い返したアシュケナージ・ユダヤ人(欧州系のユダヤ人)。それは、北海道に追われたアイヌ人が突然本土に戻って来て、ここは我々の住んでいた土地だから返せ
、と主張するのよりもさらに理不尽な要求だ。
アイヌ人は大和民族に追われたのだからまだ分かるが、ユダヤ人たちは自らの意思で去って行ったのだから。
地元に残って、イスラムの人々と長い間仲良く暮らしていた古代ユダヤ人の血を引くスファラディ・ユダヤ人
たちは、決して理不尽な要求をする人々ではない。 しかし、彼らは少数派(10%)で経済的にも豊かでないので、今政治を動かせる立場にいないのだ。それにしてもイスラエル政府は
、パレスチナ人から奪い返した占領地をさらに広げるために、カルマの積み上げを一体いつまで続けるつもりなのだろうか。
彼らには土地を奪われ、同じ同胞が東西に分かれて住むパレスチナ人の苦しさなど眼中にないようだ。
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勝てない戦争と知りつつ、次なる戦いの準備を進める戦闘員たち。
彼らもまた、背負ったカルマを刈り取るための人生を送っているのだろうか。
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