世界中で異常気象による巨大災害が広がっており、
ここ10年間だけで死者の数は70万人、その被害額は1兆4000億ドル(約170兆円)に達している。そうした災害の広がりにどう向かい合っていくべきか、被災地に対して、国連を含めて各国がどう支援をしていくべきかを話し合う「国連防災世界会議」が今仙台市で開かれている。
折りしもその会議の最中、超巨大なサイクロンが南太平洋のシェバード諸島を襲い、甚大な被害がもたらすところとなった。
被災地はオーストラリアの西、ニュージーランドの北に位置す小さな島国・バヌアツやツバルであるが、14日から15日にかけて襲ったサイクロン「パム」は、南太平洋で発生したサイクロンの中で過去最大級で、バヌアツの首都・ポートビラの住宅の90%が崩壊、被害は国の半分に及び村ごと破壊された島もあり、被災者数は13万人達しているようである。
今回のサイクロンの規模は中心気圧が890ミリで、最大風速が70メートルに達したというから、その規模の大きさが想像できる。
住民はまるでこの世の終わりのような凄さで、各地で恐ろしいほどの人的被害が広がっている、と語っている。今のところ首都ポートビラの状況しか把握されていないが、点在する島々の様子が明らかになると、死者はかなりの数に達しそうである。
バヌアツ周辺は北半球と南半球の風がぶつかり合う場所に位置しているため、昔からサイクロンが発生しやすい場所ではあったが、最近のサイクロンはその頻度も激しさも年々増してきており、住民たちは、サイクロンの季節が近づくと、今年は何が起こるのかと不安な日々を送るようになって来ているようである。
フィリピンが昨年、一昨年と続けてかってないほどの巨大台風に見舞われ、大きな被害に見舞われたことは、記憶に新しいところであるが、これから先、南太平洋周辺で発生する台風やサイクロンは、海水温の上昇の影響を受けてかってないほどの規模となり、また発生頻度も増して来ることは,避けて通れそうもない。
我が国を始めフィリッピン、中国、台湾などどこの国々もみな、明日は我が身となることを肝に銘じておく必要がありそうだ。