昨年夏の木曽御岳山の噴火以降、阿蘇山の噴火、桜島の山体膨張と火山の活発化の徴候が見られ
る状況が続く中、一昨年11月に噴火が始まった小笠原諸島の西之島の噴火活動はますます活動を活発化させてきている。火口からは激しい勢いで高温の噴石が吹き出し、島の東側に向かって溶岩が流れ出しており、島の面積を日に日に広げ続けている。これだけ長期にわたる海底噴火は極めて珍しいことである。
世界に目を転じると、ハワイのキラウエア火山の溶岩流出が島の住民に被害をもたらしていることは既にお伝えしてきた通りだが、ここ1ヶ月、環太平洋火山帯の各地で新たな噴火活動が始まっており、今後の動きが気になる状況となって来ている。
12月19日には、インドネシアではガマラマ火山とソプタン火山が噴火、また1月5日以降、ロシアのカムチャッカ半島ではクリュチェフスカヤ火山が噴火し、北西山麓
に大量の溶岩流を流下させており、ジュバノフスキー火山やシヴェルチ火山も噴火活動を活発化させ、噴煙を6000〜10000メートル上空へ噴き上げている。
中でもシヴェルチ火山の活動は顕著で、16日以降噴煙の高さは10キロメートルに達し、周辺を飛ぶ飛行の危険度を示すレベルは、飛行機のエンジンが噴煙を吸い込む危険性が高いとされる「オレンジ」
に上昇し、国際・国内便に警報が発せられている。また、メキシコのコリマ山でも噴火が始まり噴火口周辺では火山灰が広い範囲で降っている。噴煙は6000メートルに達
しており、500キロ離れた首都のメキシコシティーまで到達している。
もしもこれから先、世界の噴火活動の先駆けとなると言われている富士山の噴火が発生するようなことになれば、太平洋を囲む沿岸部の火山帯は、一斉に本格的な噴火活動を始めることになるかもしれない。
もしも、世界的規模で大規模な噴火活動が始まるようなことになれば、気温低下による農作物への被害は甚大となるばかりか、
世界各地で航空機の運航が出来なくなる可能性も大きい。その結果、国内、国外を問わず人の行き来やものの運送が止まり、経済への打撃も甚大となる。
また、国においても個人でも自己中心の考え方が蔓延し、世界の隅々で紛争を呼び起こすことになるのではなかろうか。大規模噴火の影響は地震より大きくなるかもしれない。