一段と混迷を深める中東情勢
 

 


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一段と混迷を深める中東情勢

中東の盟主国・サウジアラビアが動き始めた

 
 

 
 


イエメンの反政府軍の拠点の空爆に向かうサウジアラビアの戦闘機

 
 

混乱状態が続く中東がさらに混迷を深める事態となってきた。アラビア半島の南に位置するイエメンがシリアやリビアと同様、無政府状態に近づいて来ていることはこれまでにお知らせしてきた通りである。問題は、ここに来てイエメンの内戦にアラブの盟主・サウジアラビアが加わったことである。

イエメンの混乱は、2011年の「アラブの春」で誕生したハディー政権のスンニ派寄りの政治に対し、北部に多く住むシーア派の住民が反発したことから発生したものである。シーア派の過激派組織は今月はじめに首都サヌアを掌握、大統領は南部に逃れてアデンに政府を移し、辛うじて政権を維持してきていた。

このままではシーア派が政権を奪うことになるのではと懸念した隣国サウジアラビアが、バディー大統領の要請に基づいて26日からシーア派の過激派組織に対して空爆を開始することなった。サウジアラビアはスンニ派の国、隣国イエメンがシーア派体制となることは決して好ましいことではない。

そのため空爆に踏み切ったわけだが、この空爆作戦にはスンニ派のヨルダンやクエートなど湾岸諸国10ヶ国が加わっている一方で、シーア派の大国イランはこの空爆に対して強く反発をしており、今や中東は「スンニ派対シーア派」の戦いの場と化してしまったようである。

イエメン情勢は国家破綻が迫っているシリアと同様な状況となってきている。シーア派のアサド政権に対する反発でシリアの反政府勢力に武器や資金を支援してきたのがサウジアラビアと米国であり、それに反対してきたのがイランとロシアであった。 サウジアラビアはここに来て再び力をつけてきたイランがイエメンの反政府組織に力を貸すことによって、シーア派が政権を握ることになるのを恐れ、今回の空爆に踏み切ったというわけである。

 
 

 
     
 

分裂するアラブ、喜ぶイスラエル。
        やがて世界は「ハルマゲドン」へ
 

 
 

 
 


サウジの空爆で、イエメンにも見慣れた風景が広がった
泣きを見るのはいつも同じ弱者である

 
 

同じイスラム教徒として一体となるべきアラブ諸国が、宗派間対立で敵対感が一段と増してきた中東情勢。そこに入り込んで情勢をさらに複雑にしているのが、過激派組織アルカイダとイスラム国である。まさに中東という土地が持つ巨大なカルマが、新星地球の誕生を前にして、一気に火を噴き出したとしか言いようのない状況となってきた。

こうしたアラブ諸国の分裂を一番喜んでいるのが他ならぬイスラエルである。今イスラエルでは、アシュケナージユダヤ人による政権がパレスティナの国土を奪い取るだけでなく、中東地区でにらみをきかす大国となるための動きを水面下で始めている。その先頭に立っているのがネタニヤフ首相、彼が今一番狙っているのが核保有国となりつつあるイランである。

そのためにイランの核施設への空爆を実行したくて、むずむずしているネタニヤフにとって、アラブの盟主サウジアラビアとイランとの関係悪化は願ってもないことである。なぜならイランの空爆を実行したとき、かっての中東戦争のように、アラブ諸国が一団となって自国に立ち向かってくる事態が避けられるからである。

おそらく、アラブ諸国間の亀裂は、これから先一段と深まることになるだろう。それはイスラエルのイランへの空爆を実現させ、さらには、サウジ寄りの米国と、イラン寄りのロシアとの対立をさらに深めることとなる。こうして世界は今、ウクライナ紛争と中東の混乱を足がかりに、世界最終戦争ハルマゲドンに向かってさらなる一歩を踏み出すこととなったのである。

そんな情勢下、安倍政権は戦地に自衛隊を向かわせることを可能にするため、憲法を改正しようとしている。そうやら、我が国の未来にも、大きな暗雲が垂れ込み始めて来たようである。

 

追記  徳乃蔵情報
 

4月1日より開店日、開店時間が夏時間となり下記に変わりますので、ご承知下さい。

休日 : 月曜日(祭日の際は翌火曜日)

開店時間: 10時〜18時

なお、月に、1、2日休日を取ることもあるかもしれませんので、「徳乃蔵のホームページ」をご覧になられてご来館下さい。

「アマゾン写真展」を4月末まで延長しました。他ではご覧になれない写真展ですので、是非、時間を取ってご来館下さい。お待ちしております。




 

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