ドイツ、金50%を国内保管へ
 

 


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先を見通したドイツの施策

 
 

 
 


世界の金の量を表すと、21m立方体になる。手前の突き出た
部分が、ドイツの保有する3400トン分 (ドイツZDF)

 
 

先日、ドイツのテレビ局ZDFが、ドイツ政府が海外の中央銀行に預けている金(ゴールド)の一部を国内に戻すことを伝えていた。海外放送をご覧になっておられる方 は記憶しておられるかもしれないが、このニュースの重要性をあまり感じておられない方が多いのではないかと思ったので、改めて記事にすることにした次第である。

実はこのニュースは、ドイツ政府が世界情勢の悪化を厳しくとらえている何よりの証であると、私は感じた。 一歩間違えば同盟国と言えども信頼関係が崩れ、安心して国家の非常時用の財産であるゴールドを預けておけない状況になり得ることに、ドイツ政府が感づかれた上での措置のようである。

現在、全世界の金を集めると、その大きさは一辺が21メートルの立方体になる。これが人類によってこれまでに掘り出され、精製加工されたゴールドの全てであるとされている。その量はおよそ32、600トン。その内ドイツの保有量は約3400トンで、米国の8100トンに次ぐ世界第2位の保有量 となっている。( ただ米国の金保有量は、ここ10年で激減しているといわれており、確かな数値は不明である)

因みに、ドイツに次ぐ保有国はフランスの2660トンで、イタリアの2450トン、スイスの1240トン、日本の760トン、中国の600トンと 続く。( 数値は年々変化しているため、この数値は概略として見ておいて頂きたい。また直近のデーターによると、中国の保有量は我が国を抜いて1054トンと急増してきているようである)。

ドイツは保有量3400トンの内、自国内で保有している量は31%で、残りの分は米国に45%、英国に13%、フランスに11%と 、各国の連邦銀行内み預けている。こうした預け分の中から今回の国内へ戻す量は、米国の8%、フランスの11%で646トンとなる。

海外にゴールドを分散しているのは、一般的には有事の際に他の通貨に換えやすいためとされている。それがなにゆえ今、中国や我が国の全保量に匹敵するほどの大量の量を自国に戻すことにしたのかいうと、その理由はフランスのように自国と同じ通貨(ユーロ)を使っている国には 、通貨換えの必要がないからだとされている。

しかし 、それは表向きの理由でしかないことは、米国が今もなお通貨換えが必要な国 であることを考えればすぐに分かることである。それに、ドルは今もなお世界の基軸通貨であり続けている。フランスから引き上げた分を米国に移すというなら分かるが、なにゆえフランスと一緒に米国からも引き上げるのか?  隠された真の理由は 、米国もフランスも先行きが不透明となっており、安全な保管国とは言い難くなって来ているからである。

 

国家破綻はどこの国でもあり得る

 

 


 

 

シリアの夜の都市を照らす街の明かりはこの4年間で、20%にまで
激減してしまった。 シリアという国家の消えゆく姿を映し出しているようだ。

 

国の領土は残り、国民もそのまま残ったとしても,国としての統制が効かなくなる。これを国家破綻という。今、世界を見渡すと、そんな国家破綻の連鎖が始まろうとしていることが見えてくる。そんな国家破綻を引き起こす要因としては幾つかのシナリオがある。

その一つが経済的崩壊で国家債務が返済できない状況、つまりデフォルトが発生することである。また、国内の暴動や内乱、あるいは超巨大災害の発生で政府機関が機能停止状態となることもその要因の一つである。

今、中東やアフリカでは、シリア、イラク、リビア、イエメンなどが国内の暴動や内乱で、国家崩壊に追いこまれようとしている。 4年間の内戦が続く中、国の内外での1000万人を越す難民と30万人近い死者が発生し、1000人の子供が戦火で犠牲になっているシリアはその代表的事例である。

人工衛星から眺めたシリアの都市の夜を照らす街の明かりは、年々少なくなって来ており4年前に比べて80%減少している。そんな写真を見ると、しだいに闇に埋もれていくシリアという国家の消えゆく姿が映し出されているかのようである。

また、先進国のギリシャやウクライナ の国家破綻が目前に迫っていることもご承知の通りである。そればかりか、世界の覇権国家である米国といえども、もしも、デフォルト直前の国家債務や黒人差別に端を発する暴動の発生、懸念されているイエローストーン の超巨大噴火やサンアンドレアス海溝地震、東海岸の巨大津波発生などが現実となったら、国家が統治不能な混乱状態に陥る可能性は決して小さくない。

それどころか、最近の米国の政治家、特に共和党議員の動きを見ていると、大統領の権威が半ば失われてしまったかのように感じられる。大統領の了解も得ずに、イスラエルのネタニヤフ首相を招聘して議会で演説させ、今度はイランの最高指導者ハメネイ氏にとんでもない書簡を送っている。これは大統領の外交特権をないがしろにするもので、米国としてはまさに恥ずべき行為である。

そういった状況をドイツ政府はいち早く察知し、通貨ユ ーロの信頼が薄れても、信頼できる自国通貨マルクで事態を切り抜けることが出来るように、ゴールドの自国内保有率の引き上げを決定したのではないかと思われる。米国の属国となり下がった我が国の政府や官僚たちには、考えもつかない事前対応である。

もしかすると、近いうちに基軸通貨ドルが崩壊してゴールドに裏打ちされた新通貨が登場し、金本位制が復活することになるかもしれない。その時には米国は形だけの覇権国となり、悪魔の支配する IMF(国際通貨基金)を財務省とした「新世界秩序」が始まり、ブッシュ一族は,国民栄誉賞ならぬ世界栄誉賞を受理することになるかもしれない。

 
 

 
 


米国の未来を象徴するような凍てつく海岸

 

 




 

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