25日のギリシャ選挙に世界が注目
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2015年世界の政治・経済は?
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2015年、今年の異常気象や天変地異がその頻度と規模において記録的なものになる可能性が大きいことは前回記した通りである。一方、政治情勢や経済情勢はどうだろうか。イスラム国の出現による新たな脅威の台頭やシリアやウクライナなどの終わりの見えない紛争、そして欧米とロシア間の激しさを増す国家間の対立など、厳しい状況は一段と増してきており、今年はそれらが発火点となって国家間、民族間、宗教間の巨大な争いの炎が上がることななるかもしれない。
米国の調査会社ユーラシアグループが昨日発表した、今年の国際情勢の10大リスクを見ると、その上位3つは以下の通りである。
@ ヨーロッパの政局不安
A ロシアの政治混乱
B 中国経済の減速
今年最大のリスクとして「ヨーロッパの政局不安」を挙げたのは、反EU
勢力が台頭して各国間の意見の食い違いが発生し、ユーロ危機が再来するのではないかと見ているからである。おりしも、ギリシャでは今月25日には総選挙が行われ、最大野党の左派連合が第1党になる可能性が大きくなっている。
左派連合の党首は「勝利すれば、これまで続けてきた節約経済とはおさらばで、EUなどに対する返済も打ち切る」と語っている。もしも、野党が勝利しそうした政策を取ることになったら、ギリシャは債務不履行(デフォルト)を発生させ、ユーロ諸国に対する3200億(約46兆円)の負債額を帳消しにすることになる。
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ギリシャ最大野党が政権を握ることになったら、世界は混乱状態に向かうことになるかもしれない。
その気配を察知した昨日の欧米の株価は急落、ユーロは2006年以来のユーロ安となった
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そうなったら、ユーロ諸国がギリシャのEU残留を許すはずがない。中でも、700億ユーロ(約10兆円)の融資をしてきたドイツは厳しい裁定を下すことになるに違いない。それゆえ、ギリシャは国を2分しての論争となり、それは即、ユーロ危機の再来となるに違いない。
また、こうした混乱がギリシャで発生すれば、それはギリシャ一国で留まることはあり得ない。なぜならギリシャと同様に景気が低迷する中、緊縮策をとり続ける政府に対し、不満が日に日に強まっているスペインやポルトガル、フランスなど他の国々にも混乱は波及し、ユーロ経済全体が打撃を受けることとなる可能性が大きいからである。
それゆえ、米国の調査会社ーラシアグループは、原油安によるルーブル安から市民生活に混乱が広がっているロシアの政局や、一段と減速傾向が鮮明になってきている中国経済の不安をさておいて、ヨーロッパの政情不安を今年最大のリスクに挙げたのである。
こうした状況を受けて、欧米の金融市場は大荒れとなってきている。日本を含め欧米の株価がこのまま下落に向かうかどうかは不透明だが、原油価格(WTI)
が50ドル割れとなり、ロシアをはじめ産油国の財政状況が一段と厳しさを増してきているだけに、世界経済の混乱は避けては通れそうもないようだ。
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ギリシャ選挙の結果と同様、原油価格の下落動向からは目が離せない
昨日の米国での原油先物価格は、とうとう50ドルを割り込んだ。
「闇の勢力」はこれから先どこまで下落を続けようとしているのだろうか?
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