遠く離れた我が国には、その悲惨な状況はなかなか伝わりにくいが、私がHPに写真の転載をさせて頂いているAFP通信社の記者コラム「中東の流血写真と映像に向き 合う写真編集者の苦悩」を読むと、目を覆いたくなるような悲惨な実体が伝わってくる。
写真編集者のアンドリュー・カバレロ氏はある日、爆撃で死亡した幼い息子を抱えたシリア人男性の画像を編集していると、子供の体に長いひものようなものが巻きついているのに気付いた。何かのひもだと思っていたが、よく見てみると、それは子供の腹から出た腸だった。 AFP通信社がその写真を配信することはなかったが、その恐ろしいイメージはカバレロ氏の脳裏に長く焼きついたままであった。
AFP通信社の写真や映像の編集者は毎日のように、シリアやイラク、パレスチナ自治区ガザ地区、リビアなどから送られてくる、こうした耐え難いイメージと向き合っているのだ。ばらばらになった死体や負傷して泣き叫んでいる子供、そして斬首される人質の画像などを、 1日何時間も見つめ、リリースするかどうかの決断をすることが、彼らの仕事なのだ。