オーストラリアを襲う異常事態
森林火災が続く中、洪水、砂嵐が発生
|
|
|
|
オーストラリアの森林火災は6ケ月間で日本の半分近くの面積を焼き尽くしてしまった。 |
|
9月から始まったオーストラリアの森林火災は半年経過した今も燃え続けており、焼失した建物は2500棟、死者数は28人、犠牲になった野生動物は5億匹、その内、コアラは8000頭に及んでいる。また前回の記事では、焼失面積は1月には九州の面積に近づくことだろうと記したが、既に予想面積を遥かに上回る17万平方キロメートル、日本の半分近くの広さに達しているようである。
数日前のニュースでは一部の地域に雨が降り、恵みの雨となりそうだと伝えられていたが、いまだに延焼している地域は100か所を超しており、消火の見通しは立っていないようである。それどころか、恵みの雨がビクトリア州など一部の地域では「洪水」を引き起こすことになった悲惨な状況を伝えていた。
また、ニューサウスウェールズ州では大きな「砂嵐」が発生、学校の屋根が壊れるなどの被害が出ており、また首都キャンベラではゴルフボール大の雹(ヒョウ)が降り、車や住宅の窓ガラスが割れたり、1000世帯以上が停電となっている。
米国の自然災害を見ているとその種類は多様であるが、それはあの広い米国の東海岸一帯でハリケーン、洪水、そして西部で森林火災、北東部で大雪、寒波と別々に発生している。しかし、オーストラリアではニューサウスウェールズ州やビクトリア州など一部の地域で様々な災害が集中的に見舞われているのだから大変である。
ビクトリア州で牧畜業を営む方は、先の火災で牧草地が消失してしまった後、今度は洪水で土壌が流されてしまいもはや再建は出来そうにないと、その悲惨な状況を語っていた。こうした厳しいな状況を見ていると、それは決してオーストラリアだけでなくこれから先、世界のあらゆる国や地域で遭遇することになる終末的な状況を見せられているように思えてならない。
地球に住むすべての人間にとって、今オーストラリアで起きている事態は決して他人事ではなく、「明日は我が身」であることを心にとどめておいて頂きたい。
|
|
|
|
真夏だというのにゴルフボール大の雹(ひょう)が庭を覆った。
|
|
|
|
|
|
巨大な砂嵐
|
|
|
|
|
|
豪雨による洪水で水に浸かった車
|
|
|
|
|
|
コアラやシカ、カンガルーなど5億匹の野生動物が死亡
|
|
タール火山噴火で島は無人島と化してしまった
|
|
|
|
噴煙を上げ続けるタール火山
|
|
フィリピンの首都マニラから南60キロにあるタール火山が12日午後噴火。13日には噴煙は高さが1万〜1万5000mに達し、大量の火山灰が降って周囲に住む1万人が避難を余儀なくされている点については14日付の記事「フィリピンのタール火山噴火」でお伝えした通りである。
その後、噴煙の高さは最大1万7000m近くに達したようであるが、これだけの巨大な噴火はそう滅多にあることではない。我が国で最も活発な火山の一つである桜島で昨年11月に発生した観測史上最大の噴煙でも5500mであったことを考えれば、その3倍に達するタール火山の噴火がいかに巨大であったかがお分かりになるはずだ。
その後も噴火活動は続いており、タール火山のあるカルデラ湖の島に住む8000人の住民はすべて島を離れるところとなったようである。下に掲載した火山灰に覆われた島の様子を見ていただければ、とても人の住める状況ではないことがお分かりになるはずだ。
AFPニュースはパール火山で噴火が始まったのと同じ12日に、東太平洋上の赤道下にあるパラバゴス諸島のフェルナンディナ島のラクンブレ火山も噴火して溶岩が沿岸部に流れ下っていることを伝えていた。
エクアドル領のこの島にはイグアナやペンギン、ガラオアゴスコバネウ、ヘビ、固有のネズミなど多様な動物が生息し、生態学上非常に重要な島だけに心配である。大規模な火山が起きるたびに人間は生き延びても動物種は大量に死んでいくのである。また、タール火山もパール火山も環太平洋火山帯に属するだけに、今は静かなれど、富士山をはじめとする日本列島の火山群も、噴煙を上げる時が近づいていることを知らしめているのかもしれない。
|
|
|
|
島の住民にとってパラダイスであった緑に覆われた島は
火山灰に覆われ生活できる状況ではなくなってしまった。
|
|
|
|
|
|
火山灰に覆われた島の状況
|
|
|