中国の新型肺炎拡大で広がる混乱
春節を前に武漢市閉鎖、1100万の市民市外に出られず
|
|
|
|
武漢の市民を震撼させている「新型のコロナウイルス」
一説には「兵器化された病原体が流出したのではないか」という説も流れている。 |
|
このところ連日、我が国をはじめ海外のニュースがトップで取り上げているのが、中国の新型肺炎ウイルスに関するニュースである。読者はすでにご存じのことと思うが、これは中国中部の湖北省武漢市で集団発生している新型のコロナウイルスによる肺炎である。
どうやら発生源は、武漢市のタケネズミやヘビなどの動物である可能性が大きそうであるが、世界が恐れているのは、人から人への感染の詳しい経緯や死亡率の高さなどが正確に確認されないまま、日ごとに患者数と死者の数が増え続けている点である。
22日、23日と二日間にわたって開かれた世界保健機構(WHOの緊急理事会)の緊急会合でも、データー不足のため、2002〜2003年に中国で発生し、8096人が感染し774人が死亡したサーズ(SARS)のように「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たるとする判断が下せない状況が続いている。
感染者と死者に関する現時点での最新の数値は、中国全体では感染者830人、死者26人となっており、感染者が確認されている国は日本、韓国、台湾、香港、マカオ、タイ、米国となっているが、海外では幸いにも死者はまだ発生していないようである。
最新の情報では、中国の内モンゴル自治区や新疆ウイグル自治区などでも患者が確認されており、31行政区の内29の省や自治区で感染者が確認されている。
また中国内の感染者数についてはイギリスや中国の研究者から4000人をとうに越しているとする発表がなされていることから、政府の発表をうのみにするわけにはいかないようである。
|
|
|
|
1100万人の武漢の市民は市外に出ることが禁止されてしまった。
|
|
心配なのは、今日から中国では春節(旧正月)が始まり膨大な数の人々が国内だけでなく海外に旅行に出かける点である。旅行者に最も人気が高いのが我が国であることを考えると、受け入れる観光地では、マスクなどの使用は欠かさないようにしていただきたいものである。
もう一つの心配点は、現段階での中国政府の発表を信じるなら、感染率は極端に高い状況ではないようであるが、コロナウイルスは発生からしばらくして感染が広まった段階で
、毒性が変異し感染率と死亡率が高くなる可能性が高いという点である。
それにしても、移動を禁じられ、航空便や鉄道などが全て運休となり、市内から外へ出れなくなってしまった武漢市に住む1100万人の市民たちはお気の毒である。恐らく生涯今年の春節は忘れることがないに違いない。願わくばこれ以上死者の数が増えないことである。
今回の情報を追っているうちに気になったのは、コロナウイルスの発生源が中国国内の移動の拠点の一つで、地方から海外に旅行する際の交通機関の要所である武漢市であることと、数十億人が中国国内だけでなく、海外へも旅行をする春節の時期と重なっている点である。もしかすると、その裏には何か深い意味が隠されているのかもしれない。
|
|
|
|
武漢市のコンビニやスーパーでは食料品が品切れ状態となっている
|
|
追記
24日、武漢市の他に周辺の6都市も隔離、閉鎖され2300万人がその対象となったことが発表された。対象となった都市と人口は下の図を参照。これだけの都市の閉鎖を実行するということは拡大の可能性が高まっていることを示しており、閉鎖された都市での混乱が心配だ。
|