新型コロナウイルスが世界的規模で拡散する中で、なぜか不思議なことに南米大陸ではどこの国も感染者が一人も出ていない。
海外との交流が少ないためだろうか? そんなことはありないと、考えあぐねていた矢先、セサル・ラトーレ氏から連絡が入った。
「パパさん、今ペルーはコロナウイルスなど心配ないね。それより大雨で大変よ!」「マチュピチュの近くの村で大洪水が発生
しているので、パパの造った学校の様子が心配よ」と興奮気味。一瞬、川沿いにあるサニリアートとキタパライ村の子供たちの顔が目に浮かんだ。
ペルーは今、雨季の真っ最中。今年の雨量は平年より多いようだが、数日前からの大雨で増水した川が氾濫し、マチュピチュとキジャバンバ村の間のサンタ・テレサ村など5つの村で洪水が発生、
村の80パーセントほどが浸水する事態となっているようである。
死者数ははっきりしていないようが、30〜40人が行方不明になっているとのこと。3つの橋が流されて道路が遮断され車は通ることができず、ヘリコプターによる輸送も、天候が悪いため行えない状況が続いているようである。
被害がひどかった村では300世帯
ほど、少し離れた村でも合わせると2500人程の人が被害を受けており、停電も続いているとのことである。現在、ボランティアの人たちが、必要な物資をクスコから可能なところまで車を使い、車が通れないところへは馬を使って運ぼうとしているようである。
気になるのはサニリアート村とキタパライ村の学校の様子だ。二つの学校とも大きなウルバンバ川の川沿いにあるからである。特にサニリアート村には幼稚園から中学校まで建設しているだけに心配だ。ただ学校は川から40〜50メートルの高さに建てられているので川に流されることはないと思うが、多くの高台で大規模ながけ崩れが起きているようなので気になるところである。
クスコに住むセサル氏の家族たちが連絡を取ろうとしてくれているようだが、まだ電話が通じない状況が続いているようである。学校はともかく、子供たちが被害にあわずに元気でいてくれればよいのだが。
コロナウイルスのまん延、バッタの増殖、森林火災、洪水、それに地震・噴火・・・・・今人類が遭遇している艱難辛苦は世界各地でその頻度と規模を増すばかりである。なんともはや、住みにくい世の中になってきたものだ。悲しみの星「サラス」から喜びの星「アルス」への変身の時の到来が待ち遠しく感じる今日この頃である。