オーストラリアの森林火災についてはこれまで何度かにわたっお伝えして来た。昨年の夏ごろから続いている火災はオーストラリア南西部のニューサウスウェルズ州を中心に、既に5万平方キロメートル(100キロメートル×500キロメートル)を焼失。
その面積は北海道の約60%に達している。
火災は樹木の焼失だけでなく、耕作地やそこで栽培されている農作物にも大きな影響を及ぼしていることはお伝えして来ている通りであるが、人間の生活に影響を及ぼすだけでなく、動植物にも致命的な悪影響を及ぼしているようである。
その代表的な例が森林や草原に生息している動物たちである。オーストラリアで開かれた環境保護団体のWWF(世界自然保護基金)の会合で明ら
かにされたのは、今回の森林火災と干ばつで死亡した動物は10億匹。ニューサウスウェルズ州内の二つの保護区だけで1万匹のコアラが犠牲になったとのことである。
コアラの死亡数1万匹は全体の80%に当たることから、WWF(世界自然保護基金)の専門家は、ニューサウスウェルズ州内のコアラは2050年以前に絶滅する可能性が高いと述べていた。あの可愛らしいコアラがオーストラリアの地から消えてしまうなんて、なんともはや悲しいことである。
今回の森林火災については人間の放火の疑いも多数あるようだが、人の心を癒してくれるあの可愛らしいコアラを死に追いやった
その罪の大きさは、地獄行きで済まされるレベルではなさそうだ。気が遠くなるほどの世まで、人の心は持たせてもらえぬ
「魂の抹消」、つまりチリに化すことになりそうである。