世界の目が中国の新型コレラウイルスに向けられている中、中東における紛争はいまだに止むことなく続けられており、戦禍に泣く人々が後を絶たない状況が続いている。かねてからお伝えして来ているイエメンにおける政府軍と反政府軍との内戦は、サウジアラビアとシリアとの代理戦争と化して、爆撃の規模が次第に大きくなって来ており心配だ。
一方、9年目に入ったシリアの内戦も大詰めを迎え、ロシアとイランの支援を得たアサド政府軍がほぼ全土を制覇するところまで来ているが、いま、反政府軍の立てこもるシリア北西部のイドリブ県で最後の戦闘が行われている。
この戦闘も既に2カ月が経過、その間、政府軍による無差別爆撃でイドリブ県に住む300人を超す一般市民が死亡。90万人がトルコとの国境付近に戦火を逃れて車などで避難している。しかし、国境は事実上閉鎖されており
、逃げ場のなくなった人々が新たに用意された仮の避難キャンプや車の中で、十分な支援が受けられない状況で厳しい日々を送っている。
仮の非難キャンプで暮らす人々の様子を映像で見た瞬間、思わず凍り付いてしまった。そこには雪に覆われた寒々しいキャンプ場が映されており、テレビの解説はテントを張るのが精いっぱいで暖房器具が用意されていないため、
寒さの中、風邪をひいた子供たちが治療を受けれずに亡くなっている、と伝えていた。
食べ物が十分でないうえに、夜間には−10℃近くまで下がる中、十分な暖が取れないようだというから、
悲惨な状況が目に浮かぶようだ。手の届くとこならなんとでもしてあげようがあるが、遠いシリアの砂漠地帯となっては手の施しようがない。出来ることは国境なき医師団や国連WFP等の支援団体に支援金をお送りし、職員の皆さんに精一杯の支援をして頂くことを願うしかない。
こうした中東の悲惨な状況を引き起こしたのが湾岸戦争やイラク・アフガン戦争であることを考えると、米国の抱えたカルマの大きさを想像するだけで恐ろしくなってくる。新型ウイルスに苦しむ中国だけでなく、米国のカルマの刈り取りも刻一刻と迫っていることは間違いない。