この冬、米国全土が異常な寒波と大雪に見舞われたことは、既にお知らせしてきた通りである。4月に入り、さすがにもう寒さも去ったことと思っていたところ、テキサスからジョージア州に至る広いエリアで、真冬並みの嵐による、強風、雪、雹に見舞われ、8つの州で注意報が発令される事態となっている。
一方、西部のカリフォルニア州では山火事が発生、住民の避難が行われている。しばらく山火事のニュースは取り上げられていなかったが、異常な乾燥状態が続くカリフォルニア州やその周辺エリアでは、山林一体がカラカラに乾燥しているため一旦火がつくと、あっと言う間に燃え広がりすぐに何十キロ四方へと燃え広がる。また、西北部のワシントン州では大規模な崖崩れが起きている。
日本のような気象の変化の少ない国に住んでいると信じ難いかもしれないが、昨今の米国の気象は尋常ではない。その異常さは既にここ数年続いており、収まる気配どころかますますその度合いと頻度を増して来ている。国家が衰退に向かうときは、気象状況も他国に比べ荒れて厳しい状況を見せるものだ。
米国の異常気象を見ていると、異常に暑い地域と異常に寒い地域、異常に雨の多い地域と雨がまったく降らない地域に2分されていることが分かる。東部が寒波に襲われているのに、西部は平年を上回る暑さ。東部が大雨や大雪に襲われているのに、西部はまったく雨の降らない異常乾燥。
これから先もこうした極端な寒暖や多雨と干ばつは続くだろうから、夏から秋にかけてさらなる災害のニュースが、次々と伝えられことになりそうである。心配なのはこれまでなかった地震や津波の発生である。イエローストーンでも噴火の徴候が観測されているようだが、サンアンドレアス海溝の地震も心配だ。
比較的平穏な日々が続く日本とて、いつ同様な立場に置かれるか分かったものではない。フィリピンやバヌアツ島を襲った風速70メートル級の超巨大台風が上陸しないとは限らない。何より心配なのは地震と噴火であるが、ニュースでは伝えられていないが、先月中旬、西之島ではこれまでで最大級の噴火が起きており、箱根周辺では温泉だけでなく地面の温度も上がっているようである。
読者におかれては春の花見も結構だが、世の中の変化にしっかり目を配っておいて頂きたい。