アタカマ砂漠に歴史的な豪雨
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南米北部のアタカマ砂漠一帯に歴史的な業による洪水が発生
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コキンボ州で川と化した道を渡る住民
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街を襲った洪水で流されそうになった子供を救おうとする男性
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一昨日、米国で発生している異常気象について、極端に暑い地域と極端に寒い地域、異常に雨の多い地域と雨がまったく降らない地域の2つに分かれていることを記した。東部が寒波に襲われているのに、西部は平年を上回る暑さ。東部が大雨や大雪に襲われているのに、西部はまったく雨の降らない異常乾燥。
こうした極端化現象が北アメリカだけでなく南アメリカでも発生している。世界で最も雨の少ない乾燥地帯として知られている南米チリのアタカマ砂漠
、かって私が訪れた際にも、住民は水不足で悩むことはあっても、洪水の発生など考えたこともないと言っていた場所である。先週、そんな砂漠地帯に突然「1日で7年間分の豪雨」が降り、
死者の数が100人達する大洪水にみまわれたのだからびっくりである。
日本では知られていないが、豪雨による被害は3月中旬にペルーでも発生している。私が幾つかの学校を作ったウルバンバ川流域である。この地方は熱帯雨林地帯であるから雨は多いが、スコール的な雨で洪水を起こすほどの雨は滅多にない。しかし、3月の豪雨は記録的な雨量で、住民は高台に避難して水の退くのを待っているようである。幸い学校は高台に建設されて
いたので、水害には遭わずに済んだ。ただ子供たちが被害に遭っていないか心配だ。
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コロンビアの首都ボゴタでは、大量の雹で車が埋まってしまった
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雹が溶けた後、町は洪水となり車がプカプカと浮かんでいる
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アンデス山脈を挟んでチリと反対側に位置するブラジルでは水害とは反対の干ばつが起きている。サンパウロ一帯を襲っている干ばつは過去80年で最悪で、記録的な干ばつとなっている。サンパウロ
市周辺の2000万人へ水の供給源となっている貯水池は、2月以降、驚くべき水量の低下を示しており、現在はわずか8%ほどしか残されていない。
ブラジルの政府が独自に計算した推定では、今の状況が続いた場合サンパウロは、6月頃には水がまったく供給できなくなってしまうことになりそうである。米国のカリフォルニアの干ばつについては何度も伝えているが、NASAの科学者が「あと1年しかもたない」と推定している。しかし、サンパウロはあと3ヶ月というのだから大変だ。
南米大陸の北部・コロンビアの首都ボゴタでは、3月26日、激しい嵐と共に大量な雹が降り積雹量は60センチに達している。
積雪ならぬ積雹が60センチというのだから驚く。それも赤道直下のコロンビアにである。そんなボゴタに降った雹は気温が高いため、一気に解
けて洪水を引き起こし多くの車両が水没、ビルも浸水被害を受けて緊急事態が発令される事態となった。
一方、コロンビアの南に位置するエクアドルの首都キトでも、2月中旬、道路を厚く埋め尽くす雹が降っている。雹と言えば昨年の3月21付けの記事「世界の異常現象」でも記した、アフリカのエリトリアの首都アスマラで降った氷爆弾のような雹を思い出す。7月のスペインのアルマサンの雹も凄かった。とにかくこの頃、大雨や大雪だけでなく、雹の降り方が異常である。
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赤道直下のエクアドルの首都キトでも、夏の終わりだというのに大量の雹で車が埋もれてしまった
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