先史文明の存在を示す絵画
フランスのテレビ「F2」が、フランス南東部のアルデジュ渓谷の石灰岩台地にある「フォンダルク洞窟」(別名ショーヴェ洞窟)に描かれた壁画の映像を放映した。その壁画は今からおよそ3万6000年前に描かれた世界で最も古い時代の絵画としてユネスコの世界遺産に登録され
ているものである。
アルデジュ渓谷の川岸からおよそ20分ほど渓谷に沿って登ると、洞窟への入り口に着く。 そこから暗闇と静寂に包まれた狭い通路をを進んでいくと、まるで「時の回廊」をさ迷い歩いて来たかのように、突如として時は3万6000年前の後期石器時代にさかのぼり、ネアンデルタール人の描いた回廊に到達する。
照明に照らされた洞窟の壁面には、当時この地に生息していた馬やサイや熊、ヒョウ、ライオン、バイソンなど13種類の動物たちの姿を木炭や粘土を使って描いた、350数点
の壁画が現れる。 その美しさはまさに息を飲むばかりだ。
それにしても驚かされたのは壁画の描写力である。
もしも、闇から姿を現したこれらの動物たちの前に立ったら、我々の遠い祖先が今の我々と何ら変わらない知能と知恵を備えていたことを、ささやきかけて来るように感じるに違いない。
1万5000年前に描かれたスペインの「アルタミラの洞窟」壁画はご存じだと思うが、それとまったく変わらない素晴らしさで、岩のデコボコや角や丸みを巧みに利用して絵に躍動感を与えている描写は
、近代絵画のテクニックと何ら変わらない。
サイの角や体を数本の線で描くことによって、群れが動いている様子を描いているのを見ると、その感は一層強くなる。 今の人間でも絵のセンスが無い人間には
、とてもまねの出来ない描写力である。
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私たちが学校で教えられたネアンデルタール人は、猿人からクロマニヨン人に至る過程の、棍棒を持って動物を追いかける野蛮な人間たちであった。 今も同じ教育を続けて
いるものと思われるが、「フォンダルク洞窟」の壁画を見たら、いかに学者の説く考えが間違っているかが分かろうというものである。
もしも、現代の芸術家が巨大災害の後に、全ての文明の利器を失い洞窟生活を余儀なくされ、木炭や粘土を顔料にして動物たちの姿を描くことになったとしたら、「フォンダルク洞窟」や「アルタミラの洞窟壁画」とほとんど同じレベルの絵を描くことになるに違いない。
ならば、人類は3万6000年前から少しも進化していないことになりはしないか。 私がエジプトやペルー、メキシコなどの世界の遺跡を探索し、人類の文明の始まりが5000年前のエジプト文明やチグリス・ユーフラテス文明でないこと明らかにしてきたことを、3万6000年前の「フォンダルク洞窟」や1万5000年前の「アルタミラの洞窟
」の壁画が示している。
人類は遠い過去から栄えては滅び、滅びては栄えることを幾度も幾度も繰り返してきているのだ。 エジプトやチグリス・ユーフラテスから始まった文明が人類の最初の分明などという学者が説く学説は
、全くの間違いなのである。 NHKが特番で放送する人類史など嘘事であることに、一刻も早く気づいて欲しいものである。
もしもこのまま人類が戦争という愚かな行為を繰り返し、地球規模の巨大災害に見舞われたら、わずかに生き残った人間どもは、一から出直す過程で洞窟にフォンダルクやアルタミラの壁画と同じレベルの絵を描くことだろう。
しかしそれは無理かもしれない。 これからやって来る地球の再生劇は全ての人類を地上から退去させることになる可能性が大きいからだ。
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ハイエナ
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追記
読者にはご心配をおかけしましたが、突発した強力なギックリ腰も天からのお助けを頂いて奇跡的に回復し、1日の安静でHPを書ける状況になりました。 徳乃蔵への来客にも対応できていますので、どうぞ心を癒しにお出かけ下さい。
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