IMF(国際通貨基金)への370億円の返済期限が明日5日に迫ったギリシャ。 世界が注視する中、一昨日ようやくEU(欧州連合)に
新たにEUから支援を得るために必要な再建計画書が提出された。そこには、これまで頑なに拒んできた年金制度の改革案が盛り込まれているようだが、この再建計画書がEU各国に受け入れられ、新たな融資が為されるかどうかは不透明だ。
ギリシャで再建計画がまとめられたことがキプロス首相から発表されたその夜、ドイツのベルリンでもEU(欧州連合)を代表するメルケル首相とフランスのオランド大統領、それに
ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁、IMFのラガルド専務理事たちによる協議が行われていた。ギリシャに多額の融資をしてきている債権者間の意見の相違をなくし、ギリシャに向けた新たな救済合意案
、つまり、これだけのことするなら追加の融資をしましょうという条件をまとめるためであった。
奇しくも債務者と債権者の両者から再建案が提出されることになったわけだが、二つの再建案が共に相手側に受け入れられるものかどうかは不明である。 自転車操業を続けてきたギリシャがEUからの新たな融資を受けることが可能となり、デフォルトを避けることが出来るかどうか、いよいよ最後の正念場を迎えることとなったというわけである。
ギリシャが5月12日にIMFに返済した資金は、IMFの口座に設けられている特別かつ重大な用途にしか引き出せない緊急準備金を使ったもので、いわばギリシャにとっては最後に残されたとっておきの資金であった。これを
もって、ギリシャ政府の資金不足が改めて浮き彫りになった。
ギリシャと債権者側の両者が作成した再建案にどれほどの食い違いがあるのかは、まだ明らかにされてはいないため、確かなことは分からないが、もしも再び物別れになるようなことになれば、6月5日に期限が来る2億8100万ユーロ(約370億円)を含
む6月中の合計返済額16億ユーロ(約2100億円)の返済はもちろん、7月の返済金40億ユーロ(5200億円)は完全に返済不能となり、EUや
IMF、ECBに対するデフォルト(債務不履行)の発生となる。それは即、EU崩壊の第一歩となることは間違いない。
EUを創設させた「闇の組織」はその崩壊を望んでいないだろうから、何とか妥協点が見い
出して、一先ず息をつくことになるのではとも思われるが、ギリシャがEUから脱退しロシアや中国と結びつくことは、ハルマゲドンに向かって一歩前進することにもなるだけに、そちらに向かう可能性もありそうである。
いずれにしろ、結果がはっきりするのはもうすぐだ。