急がれる住民の避難
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新岳の噴火 (奈良崎圭祐撮影)
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鹿児島県の口永良部島の新岳で本日29日、9時59分爆発的噴火が発生。この噴火によって火砕流が発生し海岸まで達しており、火砕流の到達が予想される屋久島町口永良部島居住地域では緊急的な避難が必要となっている。気象庁はまた、噴火警戒レベルをレベル3の「入山規制」からレベル5の「避難」に引き上げた。
口永良部島は鹿児島海の種子島、屋久島とほぼ同じ位置に浮かぶ小さな島である。そこには80世帯130人ほどが暮らしているようだが、被害の様子が心配だ。新岳では昭和8年から9年にかけて断続的に噴火が発生し、住民8人が亡くなるなど大きな被害が出ている。また、昭和41年の噴火では噴煙が火口から高さ5キロの高さまで上がったほか、直径1メートルの大きな噴石が火口から北北東に3キロまで飛んでいる。
去年8月に噴火した新岳の火口周辺では、温度の上昇が確認されており、今年に入ってからも揺れを感じる規模の地震が起き、今月23日には震度3の地震が起きていた。また、島の一部が僅かに膨張していることを示すと考えられる地殻変動も続いていた。
わずかな山体膨張でも、こうしてマグマ噴火と思われる爆発的噴火が起きていることを考えれば、昨日「箱根山の実体」で記したように、既に膨張数値が20センチ近くに達している箱根山の噴火の確率が4%などと言うことがあり得ないことがお分かりだろう。学者や気象庁の言うことをまともに信じないことだ!
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住民の一人は次のように語っている。「バーンと大きな爆発音がして、外に出たら黒い煙がもくもくと上がっていた。雲仙・普賢岳(長崎県)の噴火のようだった。真っ黒い煙がこちらに向かってくるようで、もう終わりかなと思った。噴石が飛んでいるのも見えた」。
また別の一人は「昨夏に新岳が噴火して以降、近隣の住民とは、避難ルートや誰の車で移動するかといったことを話し合っていたという。「いつかは噴火するとは思っていたが、こんなに大規模になるとは……」。思っていた以上に早い時期に、大きな規模で起きるのが自然災害というものである。自然を舐めてはいけない。
上の図を見てもらえれば分かるように、口永良部島の新岳は桜島とわずかな距離しか離れていない。それを考えると、桜島の大規模噴火がまた一歩近づいた感じがする。こんな状況の中で川内原発が間もなく再稼働されようとしている。地元の人々は何も感じないのだろうか。まさに、「自分さえ良ければ」「金さえ入れば」「今さえ良ければ」の「3さえ主義」がまかり通った恐ろしい世の中である。
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噴煙の凄さが分かる (岩川鮎美撮影)
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