米国・まだ続く寒波と大雪
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3月中旬にしては珍しいワシントン議事堂前の雪景色
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今日は春分の日、暦の上ではいよいよ春到来である。桜の開花が伝えられている関西や中四国、九州にお住まいの方は、この冬の異常寒波と我が郷里を襲った記録的な大雪のことなどすっかり忘てしまっているのではなかろうか。しかし、
北日本では昨夜から今日にかけ雪と強風に見舞われているように、海外でも大雪や雹といった異常気象に襲われ続けている国々があることを、忘れないでおいて欲しい。
異常に寒い冬はまだ去っていないのだ。
この冬の気候が22の州で例年の記録を下回った米国では、今も5分の1のエリアが雪に覆われており、つい数日前には、シカゴやワシントンなど中西部から北東部一帯が厳しい寒さと降雪に見舞われている。16日から17日にかけてのワシントンの20センチ弱の降雪は、時期としては1914年の27日
と1960年の28日に次ぐ3番目に遅い時期の大雪で、20世紀後半以降では1960年の3月2日に次ぐ2番目の記録となっている。
3000本のソメイヨシノが咲き誇ることで有名な首都ワシントンDCのポトマック河畔の桜並木
では、間もなく桜祭りが始まるというのに、今年はつぼみを見るだけの寒い祭りとなりそうだ。 またニューイングランドでは20日、30センチの降雪に見舞われ、ニューヨークでもまだ屋外のスケートリンクが溶けずに残ったままで、子供たちが春のスケートを楽しんでいる。
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ニューヨークもまた、春を迎えるのはまだまだ先のことになりそうだ
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エリトリア
最近のニュースで驚いたのは、アフリカのエリトリアの首都アスマラで降った1メートルを超す超巨大な雹である。
14日付けの政府系新聞が伝える映像を見ると、道路はとても雹とは思えない巨大な氷の塊に覆われており、まるで氷結した河の氷が割れて流されてきたようである。多くの車が破損したようだが、こんな巨大な雹が降ってきたら車もたまったものではない。
エリトリアと言ってもほとんどの方が聞いたことのない国名に違いない。エリトリアは1993年にエチオピアから独立した国で、エチオピアとスーダンに挟まれたアフリカの西海岸に位置している国である。緯度は赤道に近く、アジアで言うならマレーシアとほぼ同じ
位置にあるだけに、1メートルを超す巨大な雹には住民もさぞかし驚かれたことだろう。
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唖然とした表情で巨大な雹の塊を見つめる首都アスマラの住民
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パキスタン
ヨーロッパや米国の異常気象は何度もお伝えしているが、アジアの各地、なかでも赤道に近く暖かいはずのインドやパキスタンなどで、今でも降雪や雹に見舞われている地域がある。
パキスタンのイスラマバードとその周辺では、3月11日に季節外れの大雪に見舞われ、イスラマバードとマリー間の主要道路である旧道のカシミールロードと新道のマリーエクスプレスウェイが共に閉鎖になるなどして、混乱状態が数日間続いたようだ。
イスラマバードの気候を調べてみると、3月の平均最高気温が23.9度、平均最低気温が15度、降水量が89ミリということなので、3月11日の大雪はやはり異例のことのようである。
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イスラマバードでは、季節外れの大雪で運行が出来なくなった車両が連なった
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インド
一方、インド北部のカシミール地方でも、25年以上雪が降ったことがないというバレーと呼ばれる地方で大雪となり、交通事故や家の倒壊などで多くの死者や負傷者が出ている。またマハーラーシュトラ州では雨と雹を伴う嵐で28名が死亡、農作物の被害も広がっているようである。
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カシミール地方では、季節外れの大雪で混乱が続いている
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