ロシア義勇兵を派遣、巡航ミサイル発射
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プーチンの願った通りの状況が到来した。これからしばらくはロシア軍は
シリアで陸と空と海からISや反政府軍を思う存分攻撃することが出来そうだ
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昨日、アフガニスタンの国境なき医師団の病院施設を米軍が誤爆したことで、ロシアがシリアでアサド政権を支援する戦闘行為が一段と激しくなってくることになりそうだと記したが、どうやら、案じていた通りの動きが始まったようだ。
ロシアのインターファックス通信は、「ロシア人義勇兵がシリア政府軍に参加することになるだろう」とするコモエドフ国防委員長の発言を伝えている。
また、昨夜のイギリスBBCはロシア海軍が1500キロ離れたカスピ海から26発の最新の巡航ミサイルを発射し、ISの施設を11ヶ所破壊したことを伝えている。
これでロシアは、空と陸さらには海上からIS(イスラム国)や反政府軍
に対する攻撃の強い意志を世界に示したことになる。 空爆とミサイルに加え、義勇兵の精鋭部隊がシリア政府軍と一緒になって戦えば、ISと反政府軍は大きな痛手を受けることは必至だ。 これまで米国
と有志連合国が1年かかってなし得なかったことを、数ヶ月でやり遂げてしまうことになるかもしれない。
EU各国を揺るがしている難民問題でイギリスもフランスもドイツも、ロシアには
厳しい発言が出来ない状況である上に、米国が誤爆で世界から非難される事態が発生したわけだから、さぞかしプーチンは笑いが止まらないことだろう。
問題は、ロシアやシリア軍による戦闘機による空爆や巡航ミサイルによる爆撃行為が、対IS作戦のためにシリア上空を飛行する米国やフランスなどの戦闘機との間に
、不測の事態を発生させることにならないかという点である。 すでにトルコは2度にわたるロシア機の上空侵犯に対して強い抗議を発している。 私は遠からずしてこうした問題がマスコミを賑わすことになるのではないかと杞憂している。
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シリア領内のロシア空軍基地には、ロシアの戦闘機が続々と配備されている
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カスピ海に配備されたロシア艦隊
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巡航ミサイル22発が発射された
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空からは最新式のミグ29戦闘機が空爆
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そうなれば、東西の対立は一段と厳しくなりハルマゲドンに一歩近づくことになるが、パレスチナとイスラエルとの紛争もまた戦争拡大の起爆材となりそうである。パレスチナ情勢は前回記したように次第に厳しくなって来ており、一歩間違うと再びガザ地区が砲弾の飛び交う紛争地と化すことになりそうである。
今回の紛争劇の発端となったのは、エルサレムの旧市街地の神殿の丘を巡る争いであった。 第3次中東戦争でイスラエルによって占領された旧市街地、そこはユダヤ教徒とイスラム教徒の宗教的対立を避けるためにイスラエルによる占領後も、イスラム人によって統治されることになっていた。 つまり、神殿の丘の中央にある「岩のドーム」では、イスラム教徒しか祈りは許されていなかったのである。
しかし、ここ数年で、ユダヤ教の強硬な一派が頻繁にそこを訪れ、隠れて祈りをするようになって来ていたのである。 それに不満を持ったイスラム教徒とユダヤ教徒との間にいさかいが起きたのである。 やがて相互の憎しみが争いを呼び、イスラエルの治安部隊とパレスチナ人との間に衝突が繰り返され、ここ数日間でイスラエル軍の発砲により800人を越すパレスチナ人が負傷する事態となっている。
エルサレム市街ではこのところ連日のように、パレスチナ人による抗議デモが行われており、暴動の発生を恐れたイスラエルのネタニヤフ首相は5日、軍や警察官の増員を発表。 もしも、このまま事態が進むようなら、イスラエルの治安部隊とパレスチナ人との本格的な衝突は避けられなくなってきそうである。
ヨルダン川西岸のエルサレムで起きた騒動は地中海沿岸のパレスチナ自治区のガザ地区にも飛び火しており、すでにガザとイスラエル側双方からロケット弾が飛び交う状況が発生している。 パレスチナ問題は中東の不安定化の根幹であるだけに目が離せない。 ブラッドムーンが終わったこれから先、年末にかけて新たな中東危機の起爆材となる可能性は大きいようだ。
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エルサレム市内では連日、イスラエルの治安部隊とパレスチナ人との
間に衝突が繰り返されており、すでに数人の死者と800人を超す負傷者が出ている
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