ISによるテロの可能性高まる
|
|
|
|
フライトが始まって間もなく機体は一瞬にして藻屑と化してしまったようだ。
224人の乗客たちの魂の多くは、今もまだ自身の死を自覚できずにいるのではなかろうか。
|
|
31日、エジプトのシャルム・エル・シェイク空港からロシアのサンクトペトル空港に向かっていた旅客機が、シナイ半島上空で謎の墜落事故を起こしてほぼ1週間。 ヨーロッパやエジプトなどの事故調査官や、米国やイギリスなどの情報機関による調査の結果、墜落の原因について機内に持ち込まれた爆発物によるテロの可能性が一段と大きくなってきた。
発見された二つの記録装置のうち、操縦席内部の音声を録音するブラックボックスには、機内に於ける爆発を示す爆発音が録音されており、また、高度や速度を記録するフライトレコーダーは、事故が発生する直前まで機体の異常を示すものは何もなかったことを示していた。
そうしたことから、ヨーロッパとエジプトの調査官は機内に爆弾が持ち込まれていた可能性が大きいと判断したようだが、それを裏付けるように、イギリスのタイム紙やテレグラフ紙は、イギリスの情報機関が
IS(イスラム国)によるテロの可能性を示す電話通信を、事故発生以前に傍受していたことを伝えている。
イギリスのキャメロン首相がエジプト大統領の訪英を前にして、いち早く爆発物による可能性を指摘し、シャルム・エル・シェイク空港との運航便を全面停止にしたのは、それゆえであったようだ。
こうした動きの中、被害者のほとんどが自国民であった当事者国・ロシアのプーチン大統領は、これまで沈黙を続けて来ていたが、6日、エジプトとロシア間の全ての運行を停止することを発表。 どうやらロシアの諜報機関もイギリスや米国と同様な情報を得たものと思われる。
これから先、ロシアやヨーロッパ諸国は自国民の帰国のために特別便を用意することになるようなので大変だ。 特にエジプトが最も人気の高い観光地であるロシアは、7万人近い人々を急いで帰国させる必要があうようだが、全員の帰国を完了するには数週間が必要のようである。
|
|
|
|
帰国のための便がストップし、混乱状態と化しているシャルム・エル・シェイク空港
|
|
気になるのは、今回の墜落事故がテロ組織による爆発物によることが明確に判明した後の問題である。 大きな痛手を受けるのはエジプト政府とロシア政府。 エジプトの外貨の獲得は観光収入に頼っているだけに、激減するであろう観光客によってエジプト政府は大きな打撃を受けることになる。 軍のトップであったアブドルファッターフ氏が大統領に就任し、強権政治に移ろうとしていた矢先だけに政府の痛手は大きく、これを機に、再びエジプトが内乱状態に移る可能性が増しそうである。
また、シリアでのIS(イスラム国)への攻撃を進めてきたロシアのプーチン大統領にとっても打撃は大きいはずだ。 今後のISへの攻撃には国民の中から批判の声が上がることは避けられず、しかし、ここで手を引いては攻撃が中途挫折なってしまう可能性が大きいだけに、思案のしどころとなりそうである。 私自身は、プーチンのISへの攻撃はむしろ一段と強くなり、ISの首都と称されているシリアのラッカへの攻撃が
、さらに激しくなるのではないかと思っている。
我々一般民間人にとっての打撃は海外旅行が一段と危険になり、世界中の空港での手荷物検査やボディーチェックもまたより厳しくなって、
不愉快な思いをするようになることである。 私が数年前から、海外への観光旅行は「退き時」だと伝えて来ていたことは、読者はご承知のはずだ。 あれだけ世界中を飛び回っていた私が、一歩も国外に出掛けなくなったのを見てもらえれば、軽い気持ちで言っていたのではないことはお分かりのはずだ。
これから先、「物見遊山」の海外旅行に出掛けられる方は、それなりの覚悟をしてお出かけになられた方がよさそうである。 覚悟さえ出来ていればどこへ行こうが構わないが、後で泣き言だけは言わないことだ。
|
|
|
|
これから先世界中の全ての空港で手荷物検査や
ボディーチェックが、一段と厳しくなることだろう。
|
|
|