イスラエルとの衝突は必至
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イランの国営テレビが地下ミサイル基地の映像を公開
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イランの核協議が合意して2ヶ月、制裁解除に向けての動きが始まり出した。 問題はこれから先、サウジアラビアとイスラエルがどう動くかである。 サウジアラビアは同じイスラム教国家ではあるが、シーア派のイランと違ってスンニ派の国
、敵対関係にある国である。 現にイエメンでの内戦では現政権を支持するイランと前政権を指示するサウジアラビアとは敵対
し合っており、間接的ながら支援戦争が続いている。
今回の核協議の合意によって、イランが再び国際舞台に登場し始めた結果、スンニ派の大国サウジアラビアとシーア派の大国イランとの対立は、
様々な形で表面化してくるものと思われるので、注視しておく必要がありそうだ。 それにも増して注意が必要なのは、敵対するイスラエルとイランとの
衝突である。
核協議が合意に達するまで表に出なかったイランの軍事問題が、ここに来て表面化し始めて来た。 今月11日、新たに開発したとされる長距離弾道ミサイル「エマード」の発射実験が実施された。 また、14日には、国営テレビによって地下500メートルに建設され
たとされる「地下ミサイル基地」の映像が公開された。
映像には、北朝鮮から購入したノドンミサイルと思える数多くのミサイル類が
映り出されていたが、おそらく核弾頭も少数ながら北朝鮮から入手している可能性もありそうだ。 こうした映像を見るまでもなく、世界屈指の諜報機関モサド
を擁するイスラエル政府は、すでにイランの核弾頭やミサイルの存在については熟知していることは間違いないが、イランの強固派の勢力が改めて
軍事力を誇示したことによって、何らかの動きに出る可能性が増してきたようである。
これから先、シリアの内戦だけでなくイラク問題、イエメン問題、リビア問題、パレスチナ問題 ・・・・・・ 中東各地に於ける様々な問題が激しさを増すたびに、イランの言動が注目されることになりそうだ。
シリア大統領、ロシアを電撃訪問
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アサド大統領の電撃訪問は欧米各国にショックを与えたようだ
米国はやること全てが後手に回っており、存在感が薄れてきている
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20日、シリアのアサド大統領がロシアを電撃訪問。 内戦状態に向かった2011年以来、初めての外国訪問で、プーチン大統領の招待に応じたもののようだが、プーチンにとっては、今回のシリア内に於けるIS(イスラム国)に対する空爆の正当性をアッピールする狙いがあったようだ。
3時間に及ぶ二人だけの密談で何が話し合われたか定かではないが、ロシアがこれから先一段とアサド政権を支援し、ISだけでなく欧米が支援している反政府軍に対する空爆やミサイル攻撃を一段と強めていくことになるのは確かだ。
ロシアとイラン、シリアの連合部隊、これは単にシリア内戦を共に戦う盟友というだけでなく、黙示録に予言されているハルマゲドンにおいてイスラエルを攻める部隊でもある。 それだけに、プーチンにとってアサド政権の存続は絶対必要なことは間違いない。
国連の事務総長、イスラエルとパレスチナ訪問
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潘基文・国連事務総長がイスラエルとパレスチナを訪問したが、なんら成果は
上がらなかったようだ。 パレスチナ人の苦難はさらに続くことになりそうだ。
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潘基文・国連事務総長がイスラエルとパレスチナを訪問。 既報の通り、イスラエルとパレスチナとの間の衝突はますます大きくなってきており、ヨルダン川西岸で日に日に
市民の死傷者の数が増してきていることを受けての訪問であった。 悪化する一方のパレスチナ情勢をこのまま見過ごすわけにはいかなくなったのだ。
しかし、ネタニヤフ首相とアッパス議長に対して、双方に攻撃的な行動を慎むように要請したようだが、互いに相手方の非を主張するだけでなんら進展は無かったようである。 22年前に暫定的に合意された「オスロ合意」が頓挫し、イスラエルによる入植活動が続く現在、両者の和解など絶対に無理だ。 土地を奪われ、虐待され続けているパレスチナ人のイスラエルに対する憎しみは、簡単に消えるものではないからだ。
エルサレムでの今回の衝突は、従来のようなガザ地区からのロケット砲による戦闘攻撃とは違って、「インティファーダ」と呼ばれる女性を含めた一般市民による
小規模な攻撃(石投げ)や、憎しみをつのらせた若者らによる刃物による殺傷などの単独行動によるだけに、イスラエル政府はこれまでのように、軍を動員した本格的な
反撃が行えず苦慮しているようである。
死傷者の数はパレスチナ人が圧倒的に多く、死者はすでに40人、負傷者数は5000人を越して来ているが、イスラエルにとっても10人を超す一般市民の死者がこれ以上増して来るようなら、このまま見過ごすわけにはいかなくなりそうだ。
ここに来て、予想通り中東を巡る動きが一段とスピードを増してきた。 これから先、今まで以上に中東情勢から目が離せなくなって来そうだ。 遠く離れた我が国も決して他人事で済ますわけにはいかないことを、肝に銘じておいて頂きたい。
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