「パリ同時多発テロの裏情報」で、ロシア軍がIS組織を一掃するため原油の貯蔵所と製油所15ヶ所を破壊し、1日6万トンの石油が闇市場に出回らなくなったことや、その結果、ISは150万ドル(1億8000万円)の収益を失うことになったことなどをお伝えした。 その際、ISが占領していた原油の産出施設から得た石油は、闇取引市場で取引されていたため、世界は違法取引を押
さえることができなかったようだと記した。
現に国連の首脳でさえも、現金を伴わない闇取引であるがため、取引を押さえることが困難だと言う趣旨の発言をしてきていた。 ところが、大規模な石油施設攻撃を命じたプーチン大統領は、先日のヨルダン国王との対話の中で、トルコはIS(イスラム国)との闇取引を続けて来ており、ISを資金的に支えて来ていた、と発言したのをきっかけに状況は一変するところとなった。
23日、突如として米国防総省や有志連合司令部は「ISの収入の半分以上が石油の売り上げで、1日平均100万ドル(1億2000円)を得ている」と発表。 さらに、闇取引を押さえるために、石油密輸ルートとなっているシリア東部でタンクローリー116台を空爆、またシリア北東部で283台を破壊したことを発表している。
それでは、これまでおよそ1年間にわたって続けられてきた、米国主導の有志連合による空爆は一体何だったのか? ロシア政府が熟知していたトルコによる密売を、米国やNATO加盟国のフランスやイギリス、ドイツ各国はまったく知らなかったというのか? なんともはやおかしな話である。
欧米各国も国連のトップもIS(イスラム国)がイスラエルや米国、イギリスの諜報機関が秘密裏に設立した組織であることを知っていたがゆえに、その組織の資金源である石油の闇取引には、知らぬ存ぜずを押し通してきていたのではないか。
なんともはや、政治の世界の「まやかし」は恐ろしい限りである。 人間の「心の素」が表面化してきていることは、これまでに何度もお伝えしてきた通りであるが、「国家」も「民族」も「組織」もみな同様、その「素」が表面化してきているため、これまで隠し通してきていた「まやかし」が表面化してきており、今回、我々はその一部を垣間見ることとなったというわけである。