今度は高速鉄道の脱線事故
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脱線事故で運河に転落し、多くの死者や負傷者を出したフランス高速鉄道
(AFPニュース)
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悪しきことは重なるもの。 今度はフランス北東部のストラスブール近郊で14日、試験走行中の仏高速鉄道TGVが脱線する事故が発生。 脱線した車両は運悪く、橋の下の幅40メートルの運河に転落し試験走行のため乗車していた49人の内、10人が死亡、5人が行方不明、37人が負傷。
負傷者の内12人が重体だというから死者の数は20人を越すことになるかもしれない。
脱線の原因は速度超過とされており、テロとは関係はないようだが、地元当局者の話によると、TGVの事故は1981年の開業以来、34年間で初めてだというから、こうした珍しい事故が1日前に発生した同時多発テロの直後に起きたことに、フランス国民は大きなショックを受けているようである。
フランスは他のEU諸国と同様、難民問題でもその受け入れで難問を抱えている。 EU(欧州連合)加盟国はアフリカ諸国と地中海のマルタで首脳会議を開き
、アフリカからの難民や移民を抑えるための行動計画を採択するなど手を打っているが、不法移民抑制の方法や帰国を巡って立場の違いも鮮明になっており、難民や移民の抑制が容易でないことがより鮮明になって来ている。
ギリシャやイタリアを経由しての難民の数は今もなお増え続けているが、国境封鎖の有刺鉄線を張り巡らす国も、ハンガリー、クロアチア、スロベニアと増えてきており、寒さが増す中、難民の苦難は耐えがたい状況となってきている。
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有刺鉄線が張られるセルビア国境 ( フランスF2 )
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防寒具もないまま、寒さと雨の中を歩き続ける難民の子供たち ( イギリスBBC
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難民問題は難民側と受け入れ国側双方に問題を生じさせているが、今回のフランスにおける同時多発テロは、その問題点をさらに複雑にすることとなった。 というのは、どうやら今回のテロ実行犯はシリアから難民を装ってギリシャ経由でフランスに入国した可能性があるからである。
さもなくとも難民受け入れを快く思っていない国々が増えているだけに、今回のテロを口実に受け入れを一段と厳しくする国が出てくることは間違いない。 そうなると、行き場を失った難民たちは
、ギリシャやイタリア、トルコから動きがとれなくなり、3国は大混乱に陥ることになる。
いずれにしろ、EU諸国はこれから先、難民問題、テロ対策など大きな難問を抱えることになり、そこに経済的危機が発生した時には、EU全体が
厳しい試練に直面する
ことは必至だ。 そうなれば、弱体化したEU諸国へのテロは一段と頻度を増し、その規模も大きくなって来ることだろう。
IS(イスラム国)によるテロ事件は、100人を越す大規模テロだけでも、すでにトルコ、エジプト、今回のフランスとわずか1ヶ
月余りで3件も発生している。 世界情勢に驚くほど疎(うと)い日本人であるが、魔が差している中東とヨーロッパ諸国への観光旅行はこれから先、出来る限り控えることである。 ましてや、学生の修学旅行などもってのほかである。
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