テロより怖いチャイナリスク
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中国が世界の工場となっていた原動力は、安い賃金だった。
ところが2003年頃から急上昇し、日本を抜いてしまった。
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中国経済の悪化が鮮明化してから1年になろうとしているが、年末に向かって一段と厳しさを増してきているようである。 収益が落ち込みパニック状態に陥っているのは中国企業だけでなく、
中国に進出した外資系企業も一緒である。 パニック的減収の要因は、経済の悪化による売り上げの落ち込みと、労働賃金の急激な上昇である。
毎年10%を越す経済成長が半減し6%台に落ち込もうとしている一方、労働賃金の上昇に伴う労働コスト高は凄まじく、30年前、日本の4分の1近くだったコストは、現時点では逆転して中国の方が高くなっているのだ。 購買力と安い賃金が売り物だっただけに、中国進出企業の受けたダブルパンチの痛手は想像以上に大きく、立ち直りは容易ではない。
中国進出の代表的銘柄と言われた、建機メーカーの「コマツ」や「日立建機」の中国市場に於ける落ち込みは凄まじい勢いで、コマツの建機部門は4年前には中国で年間3000億円以上売り上げていたが、今年は、半期で350億円まで激減している。 開発ラッシュに沸き、中国
の各都市で建設関係の機材が砂埃を巻き上げ、我が世の春を謳歌していた大手建機メーカーは、今や奈落の底に突き落とされた状況となっているのだ。
市場縮小に慌てふためいているのは、建機メーカーだけではない。 自動車メーカーや家電販売業、ショッピングモールに出店している販売店など様々な分野に及んでおり、パナソニックは今年早々に工場を閉鎖し中国での自社生産から撤退している。
特に高級ブランド品の売り上げ減少は大きく、ルイ・ヴィトンは一部閉店を始めている。
自動車に関しては高級車から軽自動車まで飛ぶように売れていたのは3月まで、景気の先行きに不安が始まりだした4月以降、新車販売は前年比マイナスに転じ、5月、6月、7月、8月と
5ヶ月連続のマイナスが続き、旺盛な需要を取り込もうと工場増設に取り組んだ、ドイツや米国、韓国などの外資系メーカーの痛手は大きく、在庫を減らすために値引き競争をせざるを得ない状況に追いこまれ、100万円を越す値引きまで行われている。
ようやく9月、10月とプラスに転じているが、これは焦った中国政府の減税措置のテコ入れによるもので、需要を先食いした一時凌ぎに過ぎないといわれている。
減税措置が終了した後の落ち込みは一段と鮮明になるものと思われる。 こうした状況下、大企業から中小企業まで日本の企業は今、このまま残留するか、引き上げるか、東南アジアに移転するかその選択に悩んでいる。
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業績悪化で賃金が支払えない企業が続出。
従業員の抗議デモなどが頻発するようになって来た。
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中国からの引き上げを検討している企業も多いようだが、共産党政権下の中国だけに、引き上げるのも容易ではないようだ。 従業員を解雇するための労使交渉は非常に難しく、巨額の保証金をふっかけられたり、要求を拒むと大規模ストに入ったりするケースも頻発している。
そのため外国籍の中小企業の中には、夜逃げ同然で逃げ出す会社も少なくないようだ。
痛手を受けているのは外資系企業だけではない。 中国国内企業も同様である。 5月頃から業績悪化で給料の支払いがストップする企業が続出し、大規模なストライキが発生しており、広東省だけで360件に達している。 いくらデモやストライキをしたところで傾いた企業は倒産するしかなく、年末に来て倒産件数が一気に増加し始めている。
これから先
、企業が生き残って行くのには、生産現場で効率化をはかり競争力を高めていかねばならない。 その結果、発生してくるのは従業員の大量解雇である。 企業倒産や企業撤退、さらには競争力強化で職を失った人々は、一体これから先どうなるのか? 現在の中国社会では50代の労働者の再雇用が至極困難な状況
にあることを考えると、これから先、失業者数の大量発生は避けては通れないようである。
この先に待ち受けているのは、巷(ちまた)にあふれた失業者や生活苦の人々による暴動である。 中国の株式市場は政府のマネーばらまきでなんとか抑えられているが、中国企業の抱えた債務残高は膨大で、GDPに占める割合は約157%。 日本企業が1980年代のバブル期に抱えた債務の132%を遙かに上回っている。
これが不良債権化した時のインパクトははかりしれない。 想像しただけで恐ろしくなってくる。
その時には、今は裕福な生活を送って爆買いをしている中流家庭の人々も、手持ちの資金を全て失うことになり、不平不満分子の一員となって巷にあふれることとなる。 その先に待ち受けているのは全国各地で発生する暴動で、7区に分かれた軍隊が次々と出動することとなる。 いよいよ共産党政権の崩壊の始まりである。
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海外旅行で買い物する額は2014年2月の110億ドル比べると
8月は2・5倍の260億ドルに急増。これが「爆買い」の元となって
いたわけだが、9月から減少に転じ10月は190億ドルに急落。
これまで「爆買い」消費に支えられて、業績絶好調だった日本の大手
百貨店の11月の売上高は、前年同月比でマイナスに転じ始めた。
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