メキシコ湾流の停滞がもたらす異変
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積雪が27センチに達したニューヨーク州北部の村
雪の下には緑の葉っぱが、冬はまだ2ヶ月先のこと。
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雪だるまを作る子供の姿はどう見ても10月中旬の光景ではない
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昨夜のABCニュースは、全米各地が早くも冬の到来を告げるような寒波に見舞われいるニュースを伝えている。 中でも北東部のミシガン州では平年より2週間も早い降雪に見舞われ、ニューヨーク州では23センチというこの時期としては異例な積雪量で、道路の凍結などで50件を越す交通事故が発生している。
暖かい天気が続いていたはずの北東部、突然の寒波到来でニューヨークやワシントンシティなども朝は3度前後の寒さに襲われ、
ボストンはこの時期としては30年ぶりの寒さ。 この寒さは今年だけのことでは無い。 ここ数年、五大湖周辺一帯は冬になると、映画「デイ・アフターツモロウ」の到来を予感させるような厳しい寒波に襲われている。 「年始め、米国を襲う異常寒波」や「氷河期に向かう地球
A」、「史上最強の猛吹雪、米国を直撃」などを読んでおられる読者はご承知の通りである。
その主要な原因は温暖化によって北極海の海氷が氷解し、暖かいメキシコ湾流の流れを停滞させていることであるが、「原油流出の2次災害」に記したように、2010年のメキシコ湾の原油流出事故によって発生した原油の帯と原油分解剤の帯が、海水の温度差を無くして海流の流れ(潮流)を弱めてしまったこともその要因の一つである。
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米国北東部や北欧に暖かくしているメキシコ湾流。 その流れを止めた主要な要因は
北極海の海氷が溶けて海水の濃度を下げ、海水温を低くしたためである。
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こうしたメキシコ湾流の停滞による寒冷化の到来については、私のHPを長くご覧になっておられる読者はすでにご承知のことであるが、そうした海流の流れの変化は世界全体の気候に大きな変化をもたらしている。 メキシコ湾流の停滞は北大西洋海域において海水温の低下を発生させている一方、太平洋では反対の現象を発生させているのである。
北海道近くの日本海で台風が発生したり、米国西海岸に近づいたハリケーンが北上して北極圏のアラスカ地方に被害をもたらすなど、これまでには考えられなかった異常な現象が発生しているのもそのためである。
現在フィリピンを襲っている台風24号もその一例で、例年なら台風シーズンを過ぎたこの季節に、24号は920ヘクトパスカル、最大風速50メートルという今年上陸した台風の中では最も強い勢力となっている。 スピードが時速数十メートルという人間並みの遅さも、最近の台風の特徴で被害を大きくして来ており、そうした傾向はこれから先ますます大きくなるものと思われる。
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首都マニラでは風速50メートルの強風で大木や住宅が倒壊
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大洪水で大河と化した道を、住民は泳ぎながらの避難している
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