寒さと雨が追い打ちを掛ける
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雨の降る寒い朝、ひたすら歩き続ける難民たち(イギリスBBC)
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次第に朝夕の寒さが身に応える季節になって来ている欧州。 そんな寒さと冷たい雨の中を今もなお
、毎日何千人もの難民がマケドニアを通過し北を目指している。 彼らはここまですでにシリアやアフガニスタンなどから何千キロも旅して来ており、これから先、さらなる苦難の旅を続けるのだ。
間もなく地面は雪に覆われることだろう。 そんな厳しい天候の中 彼らは体の不自由な子供を車イスに乗せ、乳飲み子を抱いて十分な食料や援助を得られないまま、泥まみれになって歩き続けている。
先日、イギリスのBBCニュースが伝えていたそんな難民の姿を見ていると、心が痛んでたまらない気持ちになって来た。
彼らの多くが目指すのがドイツ。 しかし、平穏な暮らしを夢見てやっとの思いでたどり着いたドイツで待っているのは、決して天国と云うわけではない。 80万人とも100万人とも言われている大量難民
の受け入れを目指しているドイツは今、難民の受け入れを巡って賛成派と反対派の二手に分かれ紛争が起きようとしているからだ。
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読者も痛々しいこんな姿を見ると心が痛むことだろう
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過激化し始めた「難民排斥デモ」
難民の受け入れを進めているドイツ東部、かっての東ドイツのドレスデンでは、体育館や学校の一部を施設に利用することに抗議する人々が道路を封鎖するなど、住民の間に
亀裂が生じて紛争に発展しようとしている。
数日前のドレスデンでは、西洋のイスラム化に反対するペギーダと呼ばれる団体の排斥デモが過激化し、メルケル首相やガブリエル経済相の絞首台が掲げられるデモが起
きている。 ここまで来ると、もはや単なるデモの段階を通り越した敵対行為である。 首都ベルリンで行われたデモでも過激化の傾向が見られており、
難民を積極的に受け入れようとする人々との間に深刻な亀裂が生じ始めている。
難民受け入れに積極な姿勢を見せたメルケル首相にはノーベル平和賞の噂もあった。 そんな首相が絞首台
まで用意されてはたまったものではない。 しかし、与党内からも制限なき受け入れには反対の声が上がってきており、支持率も50%近くまで下がってきているようなので、難民政策については軌道修正を余儀なくされることになりそうである。
経済的に余裕のあったドイツでさえこうした状況であることを考えると、他のEU諸国ではさらに厳しい状況になることが予想される。 シリア情勢が一段と厳しい状況に向かって動き始め
、エルサレムやガザ地区でユダヤ教徒とイスラム教徒との衝突が激化してして来ているだけに、これから先、トルコを含めEU各国は冬に向かってさらなる試練に向かうことになりそうである。
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首都ベルリンのデモも次第に過激化し始めている(ドイツZDF)
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ドレスデンのデモには、メルケル首相とガブリエル経済相の絞首台が
掲げられた。 こうなると、最早デモの段階を踏み外したことになる
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