今年も残すところわずかとなり、冬本番を迎えようとしている。 寒暖の差は激しいものの暖かい冬になりそうな感じがしているが、気象庁が発表した12月前半の世界の気象の様子を見ると、冬入りしたこの半月間、北極圏に近い高緯度のエリア全体が、平年に比べ異常に高温の日が続いたことが分かる。
下に添付した3枚の写真を見てもらえれば分かるように、北半球の北米、東アジア、ヨーロッパ全てのエリアで、12月の平年比を大きく上回っている。 その割合は緯度が高くなればなるほど激しくて、カナダ、アラスカでは平年比を10前後、ロシアのシベリア地方に至っては、なんと15度も上回っている。
平均値で2〜3度上回っただけで、かなり温かさが感じられるだけに、10度を越す数値は尋常ではない。 その異常さを示すように、先週末から高緯度地帯の多くでまさに春本番のような暖かな天気が続いており、米国の北東部に位置する首都ワシントンでは、ソメイヨシノが開花し街行く人を驚かしている。
平年を15度上回ったシベリアでは、春を通り越して初夏の陽気。 イギリスでも連日14度前後の気温が続き、気分はクリスマスだが、街行く人の姿は短パンにTシャツ姿。 スケートリンクでは氷が溶けて水しぶきが上がっている。 そのため暖房器具の売り上げは例年の半分、火を起こすマキ類も売れず販売店はお手上げ状態。
我が国でも緯度の高い北海道では同じ傾向が見られる。 暖かい日が続いた影響で、11月25日に最深44センチを記録した札幌市の積雪は、16日朝には消えてしまった。 日本気象協会北海道支社によると、札幌で12月までに40センチ以上の積雪を観測した後で「積雪なし」となるのは、記録の残る1961年以降初めてだという。
しかし、こんな状況がこの冬を通して長く続くとは思えない。 ここ数年の米国北東部の寒波や大雪のニュースを思い起こせば、年明け早々から一転して厳しい寒さに見舞われるところが出てくる可能性は大きそうだ。 参照(「氷河期に向かう地球
@」、「氷河期に向かう地球 A」)
寒暖の激しさは日常生活に不都合が生じ、体にとっても決していいことではない。 読者におかれては体調管理にはくれぐれも気をつけて頂きたい。