制裁解除を狙うキム委員長
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昨日17日に行われた「戦術誘導システム」の発射実験の持つ意味は?
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2月末にハノイで行われた米朝首脳会談で米国から求められた完全な非核化を拒み、経済制裁の緩和が得られなかった北朝鮮。
これはキム・ジョンウン(金正恩)委員長にとっては予想外の結果であったようで、その後、経済的な困窮状態が続く人民からの反発を抑えるため、委員長は地方各地を回り対応策などをこうじてきていた。
そうした状況下で、本日早朝、北朝鮮の国営メディアが注目すべきニュースを伝えた。それは、昨日行われた「戦術誘導システム」の発射実験の実施であった。この実験にはキム・ジョンウン委員長も立ち会い「実験の成功には軍の戦闘力強化に非常に大きな意味がある」と発言し、実験成功の重要性を強調していた。
今回行われた「戦術誘導システム」の発射実験がいかなるものかについては、はっきりしていないが、韓国や米国のメディアは近距離のミサイル実験ではないかと伝えている。それゆえ、米朝首脳会談を破綻に導くほどの実験ではないが、北朝鮮が公に兵器の実験を行うのは、昨年の第1回米朝首脳会談以後初めてのことだけに、キム・ジョンウン委員長がトランプ大統領に対し制裁をこのまま続けるようなら、次の手を打つぞと言う牽制球であることは間違いないようである。
24日に「ロシア・北朝鮮」首脳会談開催
米国をはじめ国際社会から厳しい経済制裁が続くなか、北朝鮮はあの手この手と制裁逃れの手を打っては来ているものの、経済情勢が一段と厳しくなって来ていることは事実である。その証となるのは、24日に急遽行われることになったロシアのプーチン大統領との初めての首脳会談の実施である。
ロシアは中国に次ぐ重要な「後ろ楯」国であるが、習近平首相との会談は3回行われて来ている一方で、プーチン大統領との会談は未だ一度も実施されていない。それが今回、急遽、ロシアのウラジオストクで行われる事になったのは、制裁解除に向けてのロシアの協力や、食料や医薬品などの人道支援、さらには北朝鮮労働者の受け入れ拡大などをプーチン大統領に要請する必要性が生じてきた証である。
こうしてみてみると、何とかやりくりをしているように見える北朝鮮であるが、日に日に経済制裁が厳しくなった来ており、限界に近づいてき来ていることは間違いないようだ。また、秘密裏にミサイルや核開発の最後の詰めを行っていることも考えると、トランプ大統領流の制裁脅しがどこまで持つか心配である。一歩間違うと「米国対ロシア・中国」の関係を一気に悪化させることになる可能性が大きいだけに要注意だ。
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