フランスでは35・9℃、最高気温を更新
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パリのシンボル・エッフェル塔の周辺にも暑さを逃れる人々が集結。
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水浴びのできる場所はどこも一杯だ。 (フランスF2とイギリスBBC)
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数日前から懸念されていたヨーロッパの猛暑、とうとうフランス、ドイツ、チェコ、ポーランドなどで6月としての最高気温が観測される事態となった。中でも凄いのがフランスで、南部のガール県では28日、45.9℃という記録的な高温に見舞われ、前例のない緊急非常事態警報が4つの地域に発令された。学校は休校、スポーツイベントや遠足、祭りなどがすべて中止される事態となった。
さらにこの暑さでフランス全域で複数の山火事が発生し、その数は20件に達している。消火活動用の飛行機6機が導入されているものの、風が強いこともあって消火が思うように進んでいない区域もあり、複数の家屋が炎に包まれ避難を余儀なくされている。
火災の発生を目撃した男性は家の近くを走る電車が過ぎ去った直後に、路線の周囲の枯れ草に火がつきあっという間に燃え広がった、と語っていた。どうやら電車のかけたブレーキの熱が発火の原因であったようである。
フランス同様、猛暑に見舞われているスペインでも、農業の廃棄物が焼け付くような日射で燃え広がって山火事が発生し、今もなお燃え広がっている。それにしても、このような発火原因は聞いたことがない。まさに両者ともいま欧州を襲っている異常な高温と乾燥の度合いが、尋常でないことを物語っている。
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メインの商店街には人影がない。この暑さでは買い物に出かける気にならないのだろう。
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暑さにお手上げの市民
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暑いのは人間だけではない。犬だってたまらないのだ。
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2003年に記録を更新した猛暑は8月であった。しかし、今回の猛暑は6月だっただけに、異常気象が尋常でないことは一目瞭然。 読者は5月に38.5℃を記録した北海道の猛暑を思い出しておられることだろう。両者共に気温の高さだけでなく、時期の異常さに注目である。
世界気象機関・WMOはこれから先もこうした傾向が続くようなら、世紀末には平均気温が3〜5℃上昇する可能性があると警告しているが、そんなに遠くない内に人類はそれを体験することになるかもしれない。
フランスでは2003年に暑さで1万3000人ほどが亡くなっているだけに、政府や官庁は対策に大わらわ。冷房の効いた公共の建物を開放したり、飲み水をくばったり、お年寄りの方には電話で安否を確認するなど万全を期している。そのため、今回の異常高温では死者の報告は出ていないのは幸いである。
しかし、冷房装置が稼働するなら救われるが、これから先に発生するとされるソーラーフラッシュなどで電気系統やコンピューターが破壊された際に、こんな猛暑に襲われたらどうなるか、死者の数を想像しただけで恐ろしくなって来る。
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猛暑がもたらしたフランスの火災は家屋まで焼き尽くしている。
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水曜日から発生しているスペインの山火事は今もなお燃え続けている
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アルプスでも記録的な暑さ
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モンブランの山頂5000mを飛ぶパラグライダー
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一方で、この記録的な猛暑を喜ぶ人々もいるようである。
ヨーロッパの屋根と呼ばれているフランスと至りの国境に位置するアルプスでも記録的な暑さが続いており、例年なら0℃からマイナスになる標高4810mのモンブランの頂上部は7℃。この暖かさを利用しているのはパラグライダーを楽しむ人々である。
熱さで熱気を含んだ風が上空に舞い上がるため、中腹からパラグライダーに乗って山頂部を超えて5000m上空まで飛行することが出来るからである。中腹に大変な数のパラグライダー愛好家が集まって、またとないチャンスを堪能している様子を、「フランス2TV」が伝えていた。
南仏のガール県で猛暑に苦しんでいる人たちは、一体どんな思いで画面を見ていることだろうか。
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モンブランの中腹は上空を目指す大勢のパラグライダー愛好者で一杯
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なんとも涼しげな景観ではないか。
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