「金の力」で中東和平を狙うトランプ大統領
 

 


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「金の力」で中東和平を狙うトランプ大統領
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イスラエル、米国、ロシアの3者会談、成果なし

 
 

 
 


エルサレムで行われたイスラエル・米国・ロシアの安全保障会談。
ネタニヤフ首相を挟んでにこやかな顔をしているが、成果はなかったようだ。

 
 

イランと米国との関係が一段と悪化する中、25日、中東で二つの会合が行われた。一つはイスラエルのエルサレムで行われたイスラエル・米国・ロシアの安全保障の高官による協議。主催国はイスラエルで、その目的は、敵対するイランがシリアやイラクで勢力を拡大していることを阻止することであった。

米国のボルトン補佐官はイランはテロの根源そのもので、現在進行中の米国とイランとの対立についても交渉に応じる動きは全く見せていないと批判 、イスラエルに同調する考えを鮮明にした。一方、ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記は、イランが国際社会を脅かしているかのように仕立てているいかなる行動も、すべきことではないと主張し、イスラエルや米国との考え方の違いを示した。 

こうして今回の三者会談は何ら成果を得ることなく終わったが、この時期にネタニヤフ首相が会合を開催したのは、イスラエルで中東和平を話し合う会合を持つことで、イスラエルの国際社会での 存在感と役割をアピールするのが狙いであったようである。

 

中東バーレーンで「パレスチナ支援会議」

 
 

 
 


中東のバーレーンで行われたパレスチナ支援会議。

会議を仕切ったのはトランプ大統領の娘婿クシューナー上級顧問。彼は完全なユダヤ
教徒であることから、今回の支援がイスラエルを利する政策であることは間違いない。

 
 

三者会談が行われているのと同じ25日、中東バーレーンで中東和平に向けた会議が開かれた。参加国は米国とサウジアラビアなど湾岸アラブ諸国の同盟国で、会合の目的はイスラエルとの対立が続いているパレスチナに対する経済支援に関する話し合いであった。

会合の後に発表されたのは、参加した湾岸諸国が資金を拠出し、向こう10年間で500億ドル(5兆5000億円)をパレスチナの経済支援に充てるとする方針であった。しかし、肝心なパレスチナが会合への参加をボイコットしたのである。

のみならず、パレスチナ自治政府のアッバス議長は今回の米国主導の経済支援は、経済支援をテコに、イスラエル寄りの和平案に応じさせようとするものであるとして強く反発。また、パレスチナでは市民もデモを行うなど反米、反イスラエルの感情を露わにするところとなった。

500億ドルといえば、パレスチナ自治政府の年間予算の8倍に達する額である。それだけの経済支援をしてくれるというのに、国のトップも国民も反対するということは、国土を奪い聖地エルサレムを自国のものにしようとしているイスラエルとそれを支援するトランプ大統領を、いかに信用していないかを物語っている。

 
 

 
 


パレスチナのアッバス議長は会議をボイコットし、トランプ大統領は
「金の力でパレスチナ問題を解決しようとしている」と、強い不満をあらわにした。
 

 
 

 
 


パレスチナ国民も米国のイスラエル寄りのやり方に猛反発しデモ行進。

 
 

トランプ大統領の登場以来、米国が実施して来たことは世界中から非難が寄せられる中、大使館をテルアビブからエルサレムに移転し、それに不満を持つパレスチナに対して 、これまで行ってきた様々な支援を次々と打ち切ることであった。

経済支援の打ち切りの最大のものは国連の「パレスチナ難民救済事業機関」(UNRWA)に対する拠出金の完全停止であった。その結果、UNRWAは深刻な財政危機に陥り、 25日、国連本部で資金調達のための会合を開く事態となっている。

昨夜のニュースを見ると、不足している資金の額は約2億ドル(220億円)、しかし会議に参加した国はわずかで、50ヶ国余の国々から約束された資金援助額は1億1000万ドル(120億円)に留まったようである。人口の半分に当たる約1000万人がUNRWAからの食糧支援に頼って生きているパレスチナ自治区のガザ地区では、これから先一段と厳しい状況に陥りそうである。

トランプ政権はパレスチナに対してこうした冷淡非道な行為をする一方で、今回のように巨額の経済支援を中東諸国にさせて、イスラエル寄りの和平案をパレスチナに受け入れさせようというのだから、あきれてものが言えない。まさに「金が全て」のトランプならでは の、いやしい手段である。

こうした行為を天がいつまでも許しておくわけがない。覇権国家としての名声と地位を次第に失っていく一方で、次々と襲う巨大自然災害 と政治・経済のトラブルがその頻度と規模を増して、悲しい末路を迎えることになるのは避けられもなさそうである。

 
 

 
 


25日開催された「パレスチナ難民救済事業機関」支援会議

 

 
 

 
 


支援会議に招待されたパレスチナ難民の高校生は「学校は僕にとって
酸素のようなものです、生きる活力です」と語り、支援の継続を訴えていた。

 

 

 

 

 

 

 




 

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