読者もご覧になられたかと思うが、
100万種の動植物が絶滅の危機に瀕しており、保全の対策が行われなければ、数十年で絶滅することになるとする報告書が国連から発表されたことを、英国BBCが伝えていた。両生類の40%、海生ほ乳類の33%が脅威にさらされているというのだ。
その要因について過去50年で2倍に急増した人口増が挙げられている。この倍増した人間の食料を確保するために農業や漁業、工業などの産業が急拡大し、陸や海の破壊・汚染が進み動植物や生態系に悪影響を及ぼして来たというわけである。1980年以降、10倍に急増したプラスチックの汚染も大きな要因の一つとして挙げられていた。
報道では対策として、農業における土地利用方法の改善や森林の伐採を止めること、海洋汚染問題を解決することなどが挙げられていたが、70億を超す世界の人口を一気に半減することなど出来ないだけに、容易なことではない。さらに心配なのは頻度とその規模を増して来ている自然災害による環境に及ぼす破壊的な影響である。
動植物が危機に直面していると言うことは、我々人類が危機に直面していることに他ならず、これから先保全の取り組みが進まぬ場合は、人間の生存そのものが生存の脅威にさらされることになる。私が一番恐れているのは、そうした危機的状況を回避する手段としての戦争の始まりである。一歩間違うと生態系の破壊どころか地球そのものを無にしてしまいかねないからである。