米国のイラン産原油の全面的な禁輸制裁が発動されたことは、既にお伝えした通りである。その後、米国とイランだけでなく、サウジアラビアとイランとの緊張も高まって来ており、こうした情勢を世界が固唾(かたづ)を飲んで見守っている。
数日前、ホルムズ海峡近くの海上で原油を積んだサウジアラビアのタンカー4隻が危害を被った事件と、サウジアラビアンの原油のパイプラインが無人機による攻撃を受けるという出来事が発生。二つの出来事に対してサウジアラビアは背後にイランがいる可能性が高いと見ている。
こうした状況の中、米国は原子力空母とB52爆撃機をホルムズ湾近海に派遣。そして昨日、米国兵に対する脅威が高まったと、イラクの首都・バグダードの大使館と領事館の職員の一部を国外待避させる措置を発表。どうやらトランプ政権はイラクに駐在する米軍関係者に対する攻撃を危惧しているようである。
現時点では、イランと米国・サウジアラビアとの直接的な対決が始まっているわけではないが、今後、情勢が一気に制御できなくなる可能性があるだけに心配だ。