先週の初め21日に掲載した「災害大国と化した米国」で、大雨や鉄砲水の被害に加えて17日から4日間にわたって8つの州で40個の竜巻(トルネード)が発生し、オクラホマやカンザスなど多くの州で大きな被害に見舞われていることをお伝えした。
あれから10日たった今朝のABCニュースは今もなお悪しき状況は続いており、竜巻の発生エリアは22州にまで広がり、発生個数は400個近くに達していることを伝えている。また大雨による洪水も中部のアーカンソー州などで発生し、甚大な被害が出ている。
こうした2週間にもわたる竜巻と洪水の被害に対して、ABCニュースも「まさに驚愕的な状況である」と伝えている。米国の自然災害は洪水やハリケーン、竜巻、寒波、乾燥化などあらゆる面にわたって、その規模と頻度を増すことになるという私のメッセージが、決して間違っていなかったことは確かなようである。
十数年にわたって悲惨な災害ニュースを書き続けて来ている私にとって、これから先の更なる惨状を考えると、身が震える思いである。今回の記事を読んで頂けたら、私の未来予想に対して懐疑的な見方をされてきた方でも、米国という国が戦争ではなく、自然災害で滅びることになることを受け入れて頂けるのではないかと思っている。
一方、米国と中国との貿易戦争は一段と厳しくなって来ており、米国による中国からの輸入品2000億ドル(22兆円)への上乗せ関税に対する中国の報復措置
(米国からの輸入品600億ドル分に対する関税上乗せ)が、いよいよ明日から実施される。
トランプ政権によって始まった米中間の関税合戦は、中国だけでなく次第に米国にとってもマイナス面が露呈し始めて来ている。トランプ大統領と言えども、米国が受けている想像を絶する自然災害の現状を見たら、今や経済戦争などしている時でないことが分かるはずである。 しかし、それを理解できない政治家や官僚たちがいま国をコントロールしているのだから、米国の未来に暗雲が立ち込めていることは間違いなさそうである。