22日未明にロシア千島列島の雷公計島(ライコケ島)の火山が95年ぶりに大噴火したことは読者は既にご承知のことと思う。この噴火の情景が国際宇宙ステーションの宇宙飛行士たちによって撮影されネットで配信されていた。
転載させて頂いた写真、地下から吹き上げた噴煙が地上1万メートルまで上り、頂上部分で広がっている2枚の写真を見て頂ければ、自然の力の凄さを実感されるに違いない。煙はさらにそれから上昇し12〜16キロ上空まで達したというから凄い。それに比べれば人間の力など微々たるものである。
噴火した山のある島は日本からロシアのカムチャッカ半島まで続く千島列島にある一つの無人島で、標高は約550メートル。名前の
「ライコケ島」というのはアイヌ語で、「地獄の穴(噴火口)」を意味する「ライ・コツ・ケ」から来ているようである。
アイヌの人々が日本列島の南は九州から、北は北海道の先の千島列島まで住んでいた先住民であることを改めて認識することとなった。それ以上に驚いたのは「探求三味」というブログに「ライコケ島」の噴火と日本列島の地震との関連性を示すデーターが掲載されていたので、直近の北海道東部地震と山形・新潟地震を追加して、お伝えしておくことにした。
1765年
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雷公計島(「ライコケ島」)噴火
1766年3月8日:津軽地震
- M6.9あるいはM7.2、犠牲者約1,500人。津波が銚子まで到達。
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1778年
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雷公計島噴火。山頂部分3分の1が破壊。
1779年11月8日:桜島・安永大噴火。犠牲者153名。
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1923年2月3日:カムチャツカ
- Mw8.5
1923年9月1日:関東地震
- M7.9、犠牲者・行方不明者10万5,385人。
1924年1月18日:雷公計島南沖 M7.2
1924年2月15日:雷公計島噴火。島の輪郭が変わる規模。
1924年7月1日:北海道東方沖
- M7.5、最大震度4。
1924年8月15日:茨城県沖
- M7.2、最大震度5。
1924年12月27日:網走沖
- M7.0、深さ150
km、最大震度4。
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2018年9月6日:北海道胆振東部地震
- M6.7、犠牲者41人。
2019年6月18日
: 山形・新潟地震 M6.8
2019年6月20日
:雷公計島噴火。
「探求三味」の著者は、地震と噴火との関連性は科学的にはっきりしていないが、過去のデーターを見る限り雷公計島(ライカケ島)の噴火と日本列島の地震との間には、何らかのつながりがありそうであると記しているが、私も同感である。環太平洋火山帯は地震帯でもあるのだから、その中で我が国に最も近い千島列島の一つである雷公計島(ライコケ島)の噴火や地震の影響を受けるのは、十分にあり得ることではないだろうか。
今から90年ほど前の1923年に甚大な被害をもたらした関東大地震の前後には、「カムチャッカ」や「ライコケ島」でM7〜8の巨大地震や噴火が起きており、1924年の「ライコケ島」の噴火の後には、北海道の東方沖合と網走沖合でM7~7.5の地震が発生している。
もしかすると、今回の「ライコケ島」の噴火は昨年9月の北海道東部の地震や、今年6月19日の新潟・山形地震の影響を受けたものかもしれないし、反対の現象として、今回の噴火で再び北海道で地震が発生することになるかもしれない。
最近は地震の頻度が多いため、いつ、どこで地震が発生してもおかしくない状況となっているので、「ライコケ島」の噴火との関連性をあまり心配する必要はないと思うが、読者におかれては一応頭に入れておかれたらどうだろうか。