北朝鮮の度重なる挑発をめぐり韓国の金章洙(キムジャンス)国家安保室長は7日、大統領府の会議で、「今月10日前後にミサイル発射のような挑発行為が起きる可能性がある」と指摘、「徹底的に備えている」と述べるなど警戒感をあらわにした.
一方、我が国の小野寺五典防衛相も7日、北朝鮮の弾道ミサイルが日本領域に落下する事態に備え、自衛隊法に基づく破壊措置命令を発令した。事前予告のない発射を想定した初めてのケースで、命令を受け、自衛隊はミサイル防衛(MD)による迎撃態勢に入った。
実は、今回の北朝鮮の一連の異常とも思える挑発的言動には裏が有り、「北朝鮮をエサに使った米国のアジア戦略」に記したように、米国の対アジア戦略、対中国戦略のシナリオが隠されているのである。それは、これから先、中国と日本やフィリピン、ベトナム
、マレーシアなどとの間に戦闘行為 が発生した場合、米国が表舞台に登場するための国際的な正当性・大義名分を作ることである。
言うならば、アフガンやパキスタンに介入するための9・11テロの発生と同じである。
このシナリオの先には、米国の恐ろしい戦略があるのだが、その詳細は後日お伝えすることにして、今回の挑発的行為の結果がどうなろうと、北朝鮮の金正恩第1書記一族の身の安全は約束されていることは間違いない。だからこそどう考えても無謀としかいえない
挑発的行動に打って出られるというわけである。因みに、金正恩の兄は今中国に逃れており、中国政府が身の安全を約束している。
北朝鮮が5日に平壌駐在の英国などの外交使節団に対し、「4月10日以降の安全を保証できない」と退去勧告を行った段階で、私はどうやら今回の北朝鮮の一連の挑発的行動は、単なるお遊びではないぞと感じたが、今回の我が国や韓国政府の対応を見ると、両政府も同様
な受け止め方をしたようである。
韓国や日本、恐らく三沢や沖縄などの米軍が駐留する基地が対象とされることと思われるが、場合によってはグアムやハワイといった米国領土も対象になるかもしれない。米国はそれを百も承知の上で、カリフォルニア州で来週予定されていたミサイル実験の延期を決めたりなどして、情勢の緊迫化を沈めようとしているように装っている
わけである。実際の所はそれらは皆、偽善行為に過ぎないのだ。言うならば、「第2の真珠湾」であるのだ。やることは昔も今も変わっていないのである。
いずれにしろ時期は別にして、そう遠くない内にミサイルによる攻撃が三ヶ国のいずれか、あるいは複数の国々に対して行われることは覚悟しておいた方が良さそうである。これが実施されれば、安倍政権の誕生に次ぐ、日本軍国化の第
2弾となるはずである。あとは米国にとって、7月の参議院選での自民党の大勝利をもって、対中戦略のシナリオは一先ず完了である。