今日は大阪講演会。早朝出発、深夜帰宅の厳しいスケジュールである。名古屋方面からご参加される方にはご不便をお掛けするが、頑張って来阪頂きたい。
香港に本部を置くフランス証券大手クレディ・アグリコル傘下のCLSAアジア・パシフィック・マーケッツがこのほど発表した「中国債務危機報告」によると、政府、企業、個人における2012年末時点の中国の債務総残高は史上最高の107兆元(約1806兆円)に上り、対GDP比では205%となり、2015年には245%に急上昇するだろうと警告した。
中国は長期にわたって、10%を超す高い経済成長(GDP)を遂げてきたが、その原動力となって来たのが債務の拡大であったことが明らかとなったわけである。
ここ数年、欧州を中心に世界各国がマイナス成長に向かう中、昨年2012年の成長率が8%と高い伸びを維持できたのは、新規債務が2011年と比べ、なんと2倍に増加した
結果だったというわけである。
そのため、債務残高は史上最高額となったわけであるが、債務対GDP比率204%は我が国と並ぶ超高水準で世界で飛び抜けた高さである。このペースで債務の急増が続けば、経済成長は持続不可能となることは明らかで、これから先は、中国の経済指標は経済成長率より債務の残高の方を注視する必要が高くなって来そうである。
23日の東京の株式市場における1143円安という暴落も、中国の製造業の動きを示す「PM1」と呼ばれる指数が7ヶ月ぶりの低水準になったことがきっかけであるが、これから先、発表される中国の経済指標は、世界の株式市場を破綻に導く導火線となる可能性が大である。
私が現役時代に株式や債権部門の責任者であった時の経験からしても、1日に7%を超す下落は大暴落的な下げ幅であるが、間もなくやって来る株式市場の崩壊時には、こうした大暴落が連日のように続くことになるはずである。
その行く先に待ち構えているのが世界的な大恐慌である。
そうした修羅場世界に身を置いて心を乱したくなかったら、株式市場から一刻も早く離れることである。
これから先まだしばらくは、乱高下を繰り返しながら高値圏に向かって上昇していくことになると思われるが、そう遠くない内、早ければ夏前後
、遅くても年内には暴落の連鎖が始まるものと思われる。23日の暴落や24日の乱高下は、米国系の大手証券会社による大量の先物取引によるものであるが、その背景には90年代に日本の株式市場を大崩壊に導いたのと同じシナリオが隠されている。彼等は日本銀行がばらまいた金融緩和マネーの引き上げ時に狙いを定めているのだ。
出来たらアベノミクスに踊らされた浮ついた環境で参議院選挙に突入しないように、選挙前に起きて欲しいものである
が、「闇の存在」がそれを許すことはなさそうである。それ以上に心配なのは、アベノリスクによる国債の暴落(金利上昇)であるが、それについてはまた改めて書くことにす
る。