世界の異常気象が月を追うごとにその度合いを増してきている。フランスやチェコ、オーストリア、ハンガリーと共に史上まれに見る洪水に見舞われたドイツでは
、今度は異常高温が続き熱射病患者が続出している。モンスーンの東南アジアもまた洪水と高温に襲われている。インドでは45度という超高温と大洪水
、北部のウッタラーカンド州ではシヴァ神の巨大な像が洪水に飲み込まれてしまった
。(下の写真参照)
アラスカ・北極海
一方、1ヶ月前まで記録的な寒さが続いていた米国北部のアラスカでは、一転してホッキョクグマが驚くほどの猛暑に見舞われている。アラスカはどう見ても暑いエリアではない。それが6月に入
ると27〜30度という日々が続き、州都アンカレッジから
128キロメートルも北に位置するタルキートナ( Talkeetna )という小さな集落では、なんと、35.6度いう記録的な猛暑に襲われている
。
「猛暑」とか「熱波」などという言葉とは縁の無いアラスカだけに、扇風機が皆売り切れてしまい、手に入れられない人々は海辺に出て涼を取っている。
ハワイのホノルルから避暑に来た観光客は、ホノルルよりフェアバンクスの方が暑いなどということは信じられないことだと驚いている。
また、北極海の氷が異常な速さで解けており、先日、厚い氷の上に建てられたロシアの観測施設が巨大な割れ目が出来たため、長年続けていた観測を急遽切り上げることになり、原子力砕氷船で撤退するニュースが流れていた。こうした異変は、人間と違ってその地を離れられない動物たちにとっては致命傷となる。その最先端にいて絶滅が危惧されているのがホッキョクグマである。彼らの姿
が見られなくなった時には、
遠からずして人類もその後を追うことになる。
インド・フランス
45度の熱暑に見舞われたインドでは、雨季のモンスーンが例年よりも早く始まり、
北部地方では記録的な大雨によりガンジス川をはじめ一連の河川が氾濫、少なくとも何百もの家や橋が被害を受けてこれまでに600名
以上が死亡、数百名が行方不明となっている。また、山あいにある複数の巡礼地では各地で道路が土砂崩れで寸断、巡礼者や観光客など6万人が孤立し、軍のヘリコプターが出動して救助に向かっている。
一方、春先に豪雪に襲われたフランスでは、今度は猛暑、暴風雨、洪水に見舞われている。数日前から洪水に襲われている南西部の村や町では、道路のアスファルトははがされて橋は消え、道路は濁流に覆われ川と化している。農作物の被害は甚大で5億ユーロ(600億円)に達している。これだけ様々な被害が次々と発生するのは極めて珍しいことであるようだ。
米国・コロラド州
さらには、何度も報告しているように、米国の異常気象による被害が北はアラスカから南はメキシコ国境沿いまでほぼ全域にわたって広がっている。乾燥化と猛暑による山火事、集中豪雨による洪水、竜巻と熱波・・・・・、その全てが集中しているのがコロラド州である。まさにコロラド州は自然災害のオンパレードとなっており、600棟を焼き尽くした山火事はいったん収まりかけたものの、再び広がりはじめ多くの住民が新たな避難を余儀なくされている。
豪雨による洪水も州全体に広がり、3日ほど前には竜巻が発生し空港が危険域に入ったため、全ての乗客が避難する騒ぎが起きている。幸いにも大事に至らなかったものの、これだけ次々と財産の消失や人命に関わる災害に襲われてはたまったものではない。しかし、まだこれ
らやって来る地球的規模の大災害から見れば、序の口に過ぎないのである。
そして日本
異常気象と言えば、日本も梅雨明け前から台風に見舞われているが、不思議なことに本島の近くまで来ると途中で忽然と消えてしまう。マスコミが台風、台風と騒いでいるが、気象庁が発表している天気図を見ると、なぜか雨雲の姿がいつの間にか見えなくなっている。