問題は国債の利回りがどこかで一気に上昇し、価格が暴落する危険性である。今は世界一低金利の日本国債であるが、国の財政を管理する日銀が国家の発行する国債の25%もの量を買い取るなどと言うことは 、正常時ではあり得ないことだけに、国際市場が異常なこととして将来性を危ぶみ、売りに転じた時には一気に暴落し、金利の上昇が始まる可能性が強い。5日の債券市場のサーキットブレーカーの発動騒ぎは 、その前兆として捉えておいた方が良さそうで ある。
内外の出来事によって上下変動はあるだろうが、今しばらくは円安、株高の傾向は続き、国債価格もほぼ安定した動きが続くものと思われる。しかし、私はそう遠くない内に 、株価の暴落と日本国債叩きの動きが始まる危険性は大であると考えている。
なぜなら、海外の市場関係者の多くが、日銀が目指す2年以内の2%の物価上昇は難しく、今回の190兆円という「異次元的」金融緩和策は、大変に危険な社会実験であると見なしているからである。 最近は一般家庭の主婦までがアベノミクスに浮かされて、株や為替取引にのめり込んでいるようで 、証券会社の株式講座は3ヶ月先まで満席だという。欲に絡んだ大人の火遊びで、大やけどを負わないことを願っている。