「異次元的」金融緩和策の行方

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190兆円の国債購入は社会実験

 


      (ロイター)

 

 


黒田総裁の打ち出した「異次元的」金融緩和策は、無理を承知の上で行う国家の浮沈をかけた
「社会実験」であり、そこには一歩間違ったら国家破綻をもたらす危険性が秘められている。
 

 

日本銀行の総裁が白川氏から黒田氏に交代したのが4月4日。新しく総裁となった黒田東彦氏は就任時の記者会見で、日銀の国債保有高を190兆円に 増額すると発表。日銀はこれまで国が発行している約700兆円の国債のうち90兆円ほどを保有してい た。その額を一気に100兆円ほど増やして2倍にするというのだから、世界の金融市場が驚いたのは当然である。これまでの金融界の常識からすると、総裁自らが口にした通りの「異次元的」 金融緩和策である。

なにゆえこれほどの大規模な債券買い入れ作戦を行うことになったかというと、15年間にわたるデフレから脱却し物価上昇率を2%まで高めることを目指そうとしているからである。理論的には、こうした巨額の国債の買い入れを実施すれば、債券相場は上昇して利回りは低下。その結果、株価は上昇し、円安はさらに進むことになるはずであった。

記者会見の翌朝、日経平均株価は一時600円を超える大幅高、一方、国債市場では指標10年物国債の利回りが0.315%と前日つけた過去最低の0.425% を大幅に下回った。 スペインやギリシャの国債利回りが1年程前に6〜7%台であったことを考えると、考えられない低利率である。まさに世界一金利の安い国債となった というわけである。

ところが、株は引けにかけ値を崩し、何とかプラスのままで終わったものの、国債相場は午後にかけて、唖然とするような売りを浴び、利回りは0.62%まで急上昇と大荒れとなり、先物市場では2度にわたって市場が一旦停止状態となる事態に至った。サーキットブレーカーが発動するのは、リーマンショック後に市場が荒れた 2008年10月以来、実に4年半ぶりのことであった。

あれから2週間たったが、国債の利回りは日銀の思惑とは反対に上昇して来ており、15年間にわたるデフレ脱却を目指す日銀にとって大きな逆風となっている。 19日現在、2年物から30年物まであらゆる国債の利回りが日銀の緩和発表時よりも上昇している。2年物利回りは0.120%で、発表前の 0.060%を上回り、10年物利回りは0.580%で、発表前の0.535%を上回っている。

問題は国債の利回りがどこかで一気に上昇し、価格が暴落する危険性である。今は世界一低金利の日本国債であるが、国の財政を管理する日銀が国家の発行する国債の25%もの量を買い取るなどと言うことは 、正常時ではあり得ないことだけに、国際市場が異常なこととして将来性を危ぶみ、売りに転じた時には一気に暴落し、金利の上昇が始まる可能性が強い。5日の債券市場のサーキットブレーカーの発動騒ぎは 、その前兆として捉えておいた方が良さそうで ある。

内外の出来事によって上下変動はあるだろうが、今しばらくは円安、株高の傾向は続き、国債価格もほぼ安定した動きが続くものと思われる。しかし、私はそう遠くない内に 、株価の暴落と日本国債叩きの動きが始まる危険性は大であると考えている。

なぜなら、海外の市場関係者の多くが、日銀が目指す2年以内の2%の物価上昇は難しく、今回の190兆円という「異次元的」金融緩和策は、大変に危険な社会実験であると見なしているからである。 最近は一般家庭の主婦までがアベノミクスに浮かされて、株や為替取引にのめり込んでいるようで 、証券会社の株式講座は3ヶ月先まで満席だという。欲に絡んだ大人の火遊びで、大やけどを負わないことを願っている。

 

 

 

 


 

 

 

 

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