米国とロシア・中国との亀裂が一段と鮮明になって来た。 国連総会における演説でオバマ大統領が、「アサド大統領は無実の子供たちに爆弾を落とす暴君、彼が政権を維持する限りシリアの安定はない」と語ったのに対して、プーチン大統領は、シリアでISと実際に戦っているのはアサド大統領の軍だと言うことを認めるべきで、シリア軍との協力を拒否するのは大きな問題だ」と強く反発
、これからも軍事支援を続ける考えを表明した。
ISがシリアに登場したのは、イスラエルと米国の一部の勢力によるものだという点を熟知しているロシアは、武器や戦闘員がISに流れていると批判。 一方、米国は昨年9月からシリア内でISへの空爆を実施
し、ISと戦う反体制派を支援、また年間5400人をシリア国内で訓練する計画を立てたものの、実際に戦っているのは現在4〜5人に留まっており、IS作戦に本腰が入っていないこと
が露呈している。
国連総会での演説の後、両大統領は2年ぶりの会談を行ったが、両者の表情は硬く報道陣からの問いかけに2人とも一言も答えなかった。 どうやら米ソ両国間の冷え込みは冷戦後
最悪な状況になっており、相当厳しい状況にあるようだ。
こうした状況下で両国の空爆作戦に何か問題が発生した際には、両国関係が極度に緊張することは避けられず、ハルマゲドンへの一歩を踏み出すことになるかもしれない。
現に、昨日行われたロシアの空爆に対して欧米からは、ISではなく欧米が支援している反シリア政府軍が空爆の対象になっていると避難の声が上がっている。
国賓待遇を受けて訪米した中国の周近平主席は表面的には歓迎されたものの、米国民の関心は1日先に訪れたローマ法王に集中し、盛り上がりのないまま終わってしまった。 周近平主席はボーイング社と航空機300機の購入契約を結ぶなど経済面での積極外交を仕掛けたが、オバマ大統領との対談では、大きな実りはなく南シナ海の南沙諸島における埋め立て問題やサイバー攻撃問題
、人権問題などみな互いに自己主張をしただけで終わってしまったようだ。
どうやら今回の習近平主席の訪米の目的はおのれ自身と中国の「存在感」の誇示であって、米国との和解や意味のある共同声明を発表するつもりははなからなかったようである。 国家と国家の争いの要因はある日突然発生するものではない。 争いの原因について双方が努力しても譲歩できず、武力によって解決するしか手がないと言うところまで行き着いたところで発生するものである。 そういう意味では今回の歩み寄りのない会談は、武力衝突の入り口に立った
ことを暗示しているようだ。
中国はこのところ、海外勢力の浸透を防ぐために昨年施行された「反スパイ法」により、外国人の行動についてより厳しく取り締まりを始めている。 日本人男性2人が
、中国でスパイ行為に関わったとして数ヶ月に渡って拘束されたことが、数日前に明らかとなった。 反スパイ法の適用については、米国の女性実業家が3月から同様の罪で拘束されていることが
、先日、米メディアによって明らかとなったばかりである。
急速な経済発展によって国民の支持を得てきた中国共産党政権は、成長率の鈍化という現実に直面。 それだけに社会の安定が最優先事項となっている習近平指導部は
、どうやら極度に神経をとがらせはじめたようある。
インドネシアの高速鉄道発注で我が国と争っていた中国は、突如インドネシア政府の保証を求めないことに方針転換し発注を獲得。 金儲けのためなら手段を選ばずの行為には
、なんともはや驚きである。 もともと中国の高速鉄道技術は我が国のノウハウを盗み取ったものであることは承知の事実、その上に、こうした
常軌を逸した手段に出るのだから、まさに開いた口がふさがらない。
今に至るも国連の総会で、慰安婦問題を持ち出す朴大統領の韓国共々、いやはや不可思議な国々である。
前回の「異常な世の中を生きる」で生命エネルギーの放射を受けて人間の
「心の素」が表面化していることを記したが、民族や国家の「素」も表面化してきて
いるため、もはや隠しようがなくなって来ているようである。
徳乃蔵ニュース
徳乃蔵の「聖なる北海道展」は10月3日(日)までです。 ご来館をお待ちしております。