GDP世界第2位の裏の姿
昨日は中国がGDP(実質国内総生産)で世界第2位となり、日本が42年間守り続けてきたた「世界第2位の経済大国」の地位を奪ったことが、大きく報じられていた。アメリカが凋落し、このまま中国が躍進を続けるなら、世界のトップに躍り出ることもそう遠い先のことではなさそうである。
一方で、大紀元日本社のニュースは、先日、「猛毒」
農薬の中国産野菜がロシア税関で摘発されたことを伝えている。ロシア北東部最大の港・マガダン港で、ロシア国内に入荷する予定の中国産野菜140トンから
、国の安全基準値をはるかに超えた猛毒の残留農薬が検出されというニュースである。
ロシアの国内のテレビやラジオ自由アジア(RFA)では、「中国人が有毒野菜をロシア人に食させ、害を与える」という激しいタイトルで、「これらの野菜には猛毒があ
るため、市場に出回って食卓に出されたら、恐ろしいことになってしまう」という検査官のコメントを伝えているが、既に同じ状況に何度も直面している日本人にとっては、さほど驚くことではない。「さもありなん」といったとこだろうか。
それにしても、中国政府は一体いつまでこんな野放しな野菜作りを続けさせるつもりだろうか。
まともな安全検査が行われていないなら、中国国内に出回っている野菜とて同じことになりそうである。その実体を多くの国民たちは自覚しているからこそ、日本産の安全基準の高い野菜や果物が高級デパートの店頭に並ぶと、
一部の富裕層が列をなすことになるのである。
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市場に出回っている鶏肉とて、どんな飼料を食べさせられた鶏の肉なのか分からない
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こうした状況は、なにも野菜に限られたことではない。牛肉も鶏肉も豚肉も、鶏卵も牛乳も飲料水も皆同じ危険にさらされているのが今の中国の現状である。もはや我が国を抜き、世界第2位のGDP国に発展した中国、世界経済の趨勢を担うまでに至った中国
も、いつまでもこんな状態を続けているようでは世界中からひんしゅくを買うことになってしまう。
そればかりか、急激な軍事力の増強と共に、新たな中国脅威論さえ芽生えてくることになりそうである。こうした状況は、今の中国が食生活だけにとどまらず、経済や人権に至るまで、すべての点でアンバランスな状態に置かれていることを物語っているからである。
旧正月に田舎に戻る金もなく路上生活を余儀なくされている人々がいる一方、ヨーロッパ諸国を訪れた金持ちたちが、「ルイ・ヴィトン」や「グッチ」といった有名ブランドを買いあさっている
ニュースを見ると、その感が一段と高くなってくる。
アラブ諸国の民衆蜂起もまた、極端な貧富の差から来ていることを考えると、整形外科手術で顔の皺を隠し通して国家を私物化してきた82歳のムバラク大統領
の末路を、胡錦涛主席も温家宝首相も、内心背筋が凍る思いで見ているかもしれない。
1ヶ月前には、今のエジプト情勢をだれもが予想だにしなかったことを考えると、アンバランスな中国
もまた、一寸先は闇であることを忘れないことである。