決断を迫られるアメリカ政府

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進むも地獄、戻るも地獄

 

 

 
 


ホワイトハウスのカーニー報道官。記者会見にて。2011年2月25日。

 
 

かねてからアメリカ政府の財政難については幾度か触れてきたが、いよいよ来るところまで来たという感じである。すぐにデフォルト宣言ということではないが、カリフォルニア州と同様、このままでは政府機能の一部を停止せざるを得ない状況が目前に迫ってきているようである。(「米国・連邦債務の上限迫る」参照)

アメリカ議会では2011年度予算全体をどのように修正し歳出削減を図るかを巡って、現在予算審議が行われているが、ここ数日中に手を打たねばならない緊急の問題があり、当面、それをどうするかで共和党、民主党で意見の食い違いがいまだ解消されていないようである。2週間の政府資金確保の法案が提出されるとのことなので、相当切羽詰まってきていることは事実である。

前回も記したように、3月の危機はこうした小手先の処置によって乗り越えたにしても、2011年度、あるいはそれ以降の財政問題の対処には、大きな関門が待ち受けており、債務限度額の大幅な引き上げによってさらなる財政赤字を容認するのか、イギリス政府並みの思い切った歳出削減に踏み切るのかの、重大な決断時期が目前に迫っていること確かである。

今ここで、共和党の主張する大幅歳出削減を実行すれば、景気の減速は間違いなく、見せかけの景気上昇ムードが一気に破綻することになる。そのため、景気対策優先で債務限度額の引き上げに踏み切ることになるものと思われるが、それはアメリカという国の失墜を自ら認めることに他ならない。

まさに、進むも地獄なら、戻るもまた地獄である。

 

「INTERNATIONAL BUSINESS TIMES」より

米ホワイトハウスは28日、予算案をめぐる議会の協議は正しい方向に進んでいるものの、一時的な措置ではなく会計年度全体の資金確保に焦点を当てなければならないとの見解を示した。

ホワイトハウスのカーニー報道官は記者団に対し「(予算をめぐる協議に)ある程度の進展が見られたようで歓迎している。われわれは正しい方向に向かっている。ただ、引き続き議会で作業が進められている」と述べた。

そのうえで「どのような措置を取っても決して経済に悪影響を及ぼさないことを優先事項として念頭に置いている」と語った。

議会で歳出削減をめぐる妥協案が成立しなければ、米政府は資金不足に陥り、3月4日には一部政府機関の閉鎖を余儀なくされる。歳出の大幅削減を進める共和党下院議員は、2週間の政府資金を確保するためのつなぎ法案を提出している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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