再び始まったロシアの森林火災

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拡大するアメリカと中国の災害

 

 

 
 


拡大するアリゾナの森林火災

 


先週からアメリカの熱波と山火事、それに中国の干ばつ・洪水の発生を報告してきているが、被害はさらに拡大されているようである。

アリゾナ州の森林火災は史上最大級になってきており、東部のニューメキシコ州に迫っている。ロイター伝によると、12日までに12万ヘクタールに拡大しており、鎮火したのはわずか5%であるというから、これから先も目が離せない状況が続くようである。

また、中国南部と中部の豪雨による死者の数は既に100人を上回っており、新華社によると、南部の複数地域で再び豪雨となり、それが引き金となった洪水や土砂崩れが発生。14日遅くまでに 新たに5万5000人以上が避難しており、この豪雨は一部地域で17日ごろまで続く見込みだという。

 

昨年を上回るロシアの山火事

 


 
 


ロシアの山火事を伝えるANNニュース

 


自然の猛威に襲われているのは、アメリカや中国だけではない。

昨年猛暑により山火事と泥炭火災に襲われたロシアで、今年もまた同様な災害が広がっており、モスクワも連日、深い煙に覆われている。自然火災の規模は去年の同じ時期に比べておよそ3倍で消失面積は70万1081ヘクタールに達しているという。

ショイグ非常事態相がもはや「住民がホウキとスコップで火を消している場合ではない」と述べているが、ANNニュースを見ると、地方で使われている消化器は手押しポンプ同様な物しかなく、これでは自然の猛威を食い止めることは不可能に思える。

昨年はプーチン首相の陣頭指揮の下、何とか沈静化しているが、今年はどうなるのか予測がつかない状況のようである。それにしても、夏を迎えるたびに、それもその規模を増して、山火事や泥炭火災が自然発生するとなると、国家 的危機に繋がりかねない。

問題は、中国の干ばつと洪水の報告でも述べたように、これから我々が遭遇しようとしている自然災害は従来の一過性のものと違い恒常的になるばかりか、その規模をますます増してきている ことである。 昨年、12月大洪水に見舞われたオーストラリアに再び大規模な洪水が発生しているのを見れば、自然災害の繰り返しが現実的になっていることが分かる。

それを考えると、次第に市民の日常生活が恒常的に冒されることになり、社会活動に重大な影響を及ぼしてくることになる。したがって、政府が対応を一つ間違うと、被災者による暴動化に繋がることも考えられるので、政権の転覆や国家破綻さえも否定できな くなってくる。

 

チリの「プジェウエ・コルドン・カウジェ火山群の噴火」
 

 

 
 


 

プジェウエ・コルドン・カウジェ火山の噴火の後に立ち上がった噴煙は
10キロの高さに達した (ロイター)

 
 

ロイター通信が伝えるところでは、チリのプジェウエ・コルドン・カウジェ火山はここ1週間あまり噴火が続いており、火山灰が上空に飛散して南米の航空便が大きく乱れているようである。チリに隣接するアルゼンチンでは、降灰により道路が閉鎖されたほか、パタゴニアの牧草地やスキーリゾートが灰に覆われた。国営航空は、12日夜に再び国内外の便を欠航させたという。

また、火山灰は大西洋とインド洋を越え、チリから約1万キロ離れたニュージーランドとオーストラリアの南方上空に到達しており、両国では、2日連続で航空便に影響が出ており約200便が欠航。約6万人の旅行客が足止めされている。

北のアイスランドの火山噴火と同様、これからますます増加してくる火山噴火は、その火山灰によって世界の航空便に大きな影響を及ぼす可能性が大きいだけに、遊び気分で海外旅行に出かけるのは要注意である。

現に、アルゼンチンを訪問中の国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は、搭乗便が到着地を変更したため、ブエノスアイレスまで約300キロをバスで移動している。 昨年のアイスランドの噴火によって、ドイツのメルケル首相が自国に戻るのに何日もかかったことが思い出される。
 

 

   

 

 
                                           

 
 


                                               火山火口の周辺では稲妻が走っている (ロイター)

 

 

アフリカ東部でも火山噴火

外国訪問中のお偉方が火山噴火で行く先の変更を余儀なくされるという点では、アフリカ東部エリトリア国で発生した火山によって、隣国エチオピアを訪問中のクリントン米国務長官も、予定を早めて帰国することになったようである。

噴火したのはエリトリアの首都アスマラの北350キロの地点にあるダビ火山で、13日午前零時頃に火山灰の噴出を開始。同火山は1861年の噴火を最後に火山活動を停止していたと考えられており、150年ぶりになる今回の噴火でアフリカ東端部が火山灰の雲に覆われ 始めている。

火山灰の雲は高さ15キロにまで達し、航空便の運航にも影響が出始めている。そのため、ドイツのルフトハンザ航空はアスマラ出発便のほか、エチオピアの首都アディスアベバ行きのフライトをキャンセルしている。 また、フランスの気象当局は「エジプトやイスラエル、アラビア半島へと火山灰が広がれば航空便に甚大な影響が出る」と警告した。

ロイター伝によると、噴火前にはエチオピアとの国境付近で地震が連続して発生していたようで、米地質調査所(USGS)は、最も大きな地震の規模はマグニチュード(M)5.7だったと発表している。 13日に起きたマグニチュード(M)5・7の地震の震源地は、エリトリアの首都アスマラの南東353キロで、震源の深さは9・9キロだった。(不思議なことに、最近の地震はみな地下10キロ前後と浅くなってきている)

これから先、世界各地で発生する火山噴火が頻度を増し、さらにその規模が大きくなってくると、航空分野に支障が出るだけでなく、野菜や穀物の生育にも悪影響が出てくる可能性が大きいだけに、 さらなる食糧危機の深刻化が懸念される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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