突如、地震活動を始めたカトラ火山
昨年4月にアイスランドの氷河の下にあるエイヤフィヤットラヨークトル火山が噴火し、その噴煙でヨーロッパの30ヶ国の空の便をマヒ状態に陥らせたことはまだ記憶に新しいところであるが、その時、アイスランドの首相がもしも近くにある「カトラ火山」が噴火したときには、今回の被害とは桁違いの規模になる可能性があると述べたことを、読者は憶えておられるだろうか。
それは、過去のカトラ火山の噴火の被害が想像を絶する規模であったからである。実はそのカトラ火山は、過去の周期ではほぼ52年に1度の割合で噴火しており、直近の噴火は1917であることからいつ噴火が起きてもおかしくない状況にあるのだ。
ペトル・ホボット氏は私との対談の中で、カトラ火山が2年以内に噴火する可能性が高いと述べており、エイヤフィヤットラヨークトル火山の沈静後も私の心配が続いてきていた。ところが直近の情報によると、恐れていたカトラ火山の付近で、突然地震が発生し始め、1月6日前後には、その数は24時間におよそ50回に達しているようである。
昨年にも何回か集中地震が起きていたようなので、今すぐに噴火が始まると考える必要はないかと思うが、用心に超したことはないので頭に入れておいて頂きたい。
以下は「Modern Survival
Blog。Com」というブログが伝えるカトラ火山に関する最新の地震情報である。ロスにお住まいのEriko Williams
さんに急いで翻訳して頂いたので、掲載させて頂くことにした。
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(図1) カトラ火山周辺で24時間以内に50回の地震が発せしている
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2010年初頭以降カトラ火山を観察しているが、この24時間以内に突然起きたカトラ火山とその周辺の一群の地震は新しい懸念の要因となっている。
この地域で約50回の地震が突如発生している。しかし、更に警戒を要するのはそのうちの6回がカトラ火山のカルデラの内側、或いはカルデラの下で起きたという事だ。これはカルデラで一日に発生した地震としては、2010年5月に始めた観測以来、最多数である。
また更なる懸念として、今回の地震は昨年4月に噴火し、ヨーロッパの航空網を数週間にわたって停止せたエイヤフィヤットラヨークトル火山の周囲で起きている。
エイヤフィヤットラヨークトルはほんの数週間前に、新しい地震と共に再び活動の兆しを見せている。昨年初頭に終焉した噴火の後殆ど活動はなかったが、ここに来て更に大きな噴火の兆しを示しているようである。
しかし何と言っても、最大の懸念はカトラ火山である。カトラ火山はエイヤフィヤットラヨークトルの10倍の規模の噴火を起こす可能性があるからだ。直近では92年前の1918年に噴火しているカトラ火山は、過去の周期から見ていつ噴火してもおかしくないのだ。
カトラ火山の噴火は平均52年に一度の間隔で起きており、西暦30年の噴火以来、38回発生している。2010年5月以降、カトラ火山のカルデラ内ではほぼ132回の地震があり、これらの地震があった地域は図3の3つの地域に集束しているようだ。
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(図2)
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(図3) 昨年5月以来132回の地震が
発生している箇所は、1755年と
1918年の噴火の付近に集中している
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最大の集中箇所は1755年の噴火の付近で、それとほぼ同じ数の地震が1918年の噴火の付近にも見られる。また北東周縁でも集中化している。カトラ火山の噴火はただ時間の問題だと言う事は誰もが知っている。また、その噴火は地球上で我々が見てきた最大のものとなる可能性がある。