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米中西部を流れるミズーリ川が豪雨によって氾濫し、近くにあるネブラスカ州のクーパー原発とフォートカルフーン原発の2つの原子力発電所一帯が浸水する事態となったニュースは左記に掲載したとおりであるが、案じられていた原発そのものの浸水はなんとか免れたようで、ホッとしていたところ、昨日深夜、名古屋と大阪講演を終えて帰宅してインターネットを開くと、新たにノースダコタ州の洪水のニュースが報じられていた。
今度は、ノースダコタ州のソーリス川が増水、堤防が決壊し、24日、同州マイノットの一部に洪水被害が発生した模様で、AP通信によると、住宅約2500戸が浸水し、住民の4分の1に当たる約1万人が避難を余儀なく差されているようである。
地域によっては、水位は信号機の高さまで達しており、床上浸水の被害が多数出て
おり、上流で大雨が降っているため、25〜26日にかけてさらに水位が上昇する可能性が高く、被害の拡大が心配されているという。
日本では東日本大震災の復興支援による財政への影響が心配されているが、災害の規模は小さいとはいえ、大雪、竜巻、山火事、洪水と年初からこれだけ立て続けて50年、100年ぶりの災害に見舞われたら、大国米国といえども災害復興に関する財政負担は頭の痛い問題となっていることだろう。もはや財政面からも、世界中に戦争をまき散らしている余裕はなくなってきているはずだ。
FEMA(米連邦緊急事態管理局)によれば、昨年連邦政府が指定した「激甚災害」は81件。同局に統計がある53年以来で最多となった。年平均で見た激甚災害数は81〜90年の25件から1991〜2000年の47件、さらには2001〜2010年の60件へと着実に増加している。
この後は、垂直にそそり立つ放物線的拡大が待っているだけかもしれない。
米国は災害復興費用を特別扱いする傾向があり、財政赤字の増加を度外視して補正予算が組まれる場合が多かったようであるが、ここにきての財政再建機運の高まりは、いわば「聖域」だった災害復興費用にも影響を与えているようであるから、被災者の自己負担は増して来ることだろう。なんとも厳しい世の中になってきたものだ!