このニュースはかなり衝撃的な情報を伝えている。17基のピラミッドがいかなる規模のものか? 石で出来ているのか、それともレンガ造りか? おそらく
その規模はかなり小型のものではないかと思われる。
それにしても17基ものピラミッドが地下に埋もれていたということは、これまで発見されたエジプトの遺跡の中でもかなり古い時代のもの
であることは間違いなく、それがどのような形態のものであるか注目されるところである。
発見された住宅の数が3000軒というから、それなりの規模の都市だったようであるが、住宅が泥レンガで出来ていたということのようなので、生活レベルは特別高いものではなかったように思われる。
ピラミッドも泥レンガ造りということになると、古王国時代(紀元前3000年)よりかなり古い時代の遺跡ということになってくる。そのような時代の人々がなにゆえ17基ものピラミッドを造る必要があったのか不思議である。
もしも、石造りの20〜30メートルクラスのピラミッドということになると、それが土に埋もれていたわけであるから、建造年代はさらに古くなり、そんな時代に、どうやってそれほどのピラミッドを建造できたのかという新たな疑問が出てくる。
いずれにしろ、単に古代の住宅跡が発見されたというニュースと違うだけに、これからの発掘次第ではこれまでのエジプト史を根底から覆すものになるかもしれない。
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新たに発見された文字らしきものが書かれた10センチほどの石 |
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ロンドン(CNN) エジプトにあるギザの大ピラミッドで秘密の小部屋の内部を調べていたロボットが、古代に描かれた謎の印を発見した。
調査はエジプト考古省率いる国際調査団が実施し、考古最高評議会の会報に写真を発表した。大ピラミッド内部には王の間と女王の間から通じる謎のトンネルが幾つもあり、その突き当たりにある石の扉の穴から小型カメラを挿入して内部の様子を撮影した。
その結果、4500年にわたり人の目に触れることのなかった赤い象形文字のような印が床に描かれ、石の上にはピラミッド建設に携わった石工が残したとみられる線が描かれているのが見つかった。
専門家によると、トンネルは人間が入ることができないほど狭く、どのような目的で作られたのかは不明だという。今回の発見は、その謎を探る手がかりになるかもしれないと期待される。
調査には、クフ王がピラミッドの構造について相談したとされる魔術師にちなんで「ジェディ」と名付けられたロボットが使われた。トンネル内部の写真はこれまでも撮影されていたが、隠し部屋の壁や床を詳しく調べたのは初めてだという。
部屋の扉に取り付けられた2つの銅製の留め具の詳細な写真も送られてきた。この留め具の目的をめぐってはドアノブ、鍵、発電施設の一部などの諸説があったが、今回の写真により、そうした実用品ではなく装飾品ではないかとの見方が強まったと専門家は指摘している。
調査団は今後、部屋の奥の壁を調べ、その先に別のドアがないかどうかを調査する。
女王の間と王の間からは通気孔と呼ばれるシャフトが延びており、1993年にドイツ人の技術者ルドルフ・ガンテンブリンク氏がビデオカメラを装備したリモコン・ロボットを使って「女王の間」の南側の通気孔を調べたところ、部屋から65メートルほど先に金属の取っ手がつけられた石灰岩性のドアと青銅製と思われる戸っ手が見つかり話題になった。
その後、これといった情報がないまま18年が経過してしまったが、今回のCNNのニュースは久しぶりに新たな展開を伝えている。ただ発見された石に描かれ
たものが文字だとすると、あまりに稚拙(ちせつ)
過ぎて、こんな文字を使っていた人々とあの巨大で精緻な第一ピラミッドとがまったく結びつかなくなってくる。