都築氏の不思議な体験
9月14日に掲載した「不思議な体験」を記憶しておられるだろうか? 記憶が薄らいで居られる方は前回の記事をもう一度読み直してから先に進むようにされた方が理解しやすいかもしれない。というのは、今回、掲載しようとしているアメリカのロスアンゼルスにお住まいの都築純さんという男性の体験談は、常識ではなかなか理解しにくい大変奇妙な体験談であるからである。
ご本人のご許可を頂いたので、5回シリーズで掲載させて頂くことにしたが、都築氏の体験談は、読者にとって「並行宇宙」と呼ばれる「パラレルワールド」をより身近なものに感じる、一つの貴重な機会になる
のではないかと思われる。
前回、「不思議な体験」でご紹介した例は、山本加世子さんという石川県の特別支援学校(養護学校)の先生が、人生に迷ったある卒業生の青年を説得し自殺を思いとどまらせたのだが、
山本さんご本人はまったくそうした記憶が残っていないという不思議な体験談であった。
それと併せて紹介したのが、夫婦で散歩をしているある女性が偶然前方を歩いている友人を見つけた瞬間、いつの間にかその女性と歩きながら談笑をしている自分に気づき、
驚いて後方を振り返ると、ご主人と一緒に歩いているもう一人の自分の姿が見えたという事例であった。
今回紹介する都築純さんもそれによく似た体験をしておられるので、まず最初にその体験談からご紹介することにしよう。ゴシック体は彼が綴った文章であるが、一部に私が文意を分かりやすくするために、加筆、修正している部分があることをお断りしておく。
最初の体験は、10代の頃(1970年代)に
何回か体験したものです。
それは、私がバイクで事故を起した同じ時間に友人の家の庭に革ジャンを着た私が立っていたとか(事故自体は単なる打撲傷程度の軽いものでした)、夜中にガールフレンドの家の階段をトントンと上って彼女の部屋に入った後で跡形も無く消えたりという体験でした。(両方とも、私はその場へ行っていません)
次なる体験は20代の頃のものです。
当時アパートで同棲していた彼女が、数日続けて毎朝誰か(私の他には考えられない)に起され、しかも毎晩誰か(私の他には考えられない)が夜中に歯を磨き、トイレでタバコを吸ったらしい形跡が続いたのです。
ところが、私には夜中に歯を磨いたりトイレでタバコを吸ったりした覚えも、朝彼女を起した記憶も「全く」無いのです。夢遊病などの何らかの精神疾患かと本気で心配したのですが、ある朝、起されている最中に彼女が目を開けると、目の前で上半身起き上がって
自分を起こそうとしている私の姿が目に入り、「なぁんだ・・・やっぱり【純】じゃない・・・」 と安心しながら目を移すと、枕に頭をつけて寝ているもう一人の私
が同時に見えたそうです。
つまり彼女は、彼女を起している私とまだ寝ている私の2体の私の姿を同時に見たというわけです。
(またもう一つの例では)、同じアパートで、彼女の弟が訪ねて来て泊まって行った翌朝、私はまだ寝ていたのに、服を着て玄関から出て行く私を弟が見
たのです。その後で、再びパジャマ姿で寝室から出てきた私を見て弟が大仰天したので理由を聞いたら、30分ほど前に服を着て廊下を歩いて玄関から出て行った私を見たと言うのです。
これらは、浅川様が先日HP「不思議な体験」で書かれたケースと同じように、想念という高次元の「何か」が3次元上で2つの場所に具現化した現象だと思うのです。
どうやら、ここに記した山本さんや都築さんたちの3つの事例は、Aという自分とは別の肉体を持った別の自分Bが同じ次元、同じ時間軸の中に存在し、自分(A)とは別の行動をとっ
ていたということになるようである。
都築氏自身は「別の自分Bは、想念が造った別の肉体ではないでしょうか」と述べているが、
彼の体験談は冒頭に紹介した山本さんたちのケースとは、少々異なるように思えるのだ。
というのは、先の二人の女性の場合と違って、都築氏の場合は夜明けに彼女を起こしたり、早めに出かける必要性が見当たらないからである。
つまり、都築氏は特別の目的がないのに、ご自分の強い意志で、別の自分を造り出したとは思えないのである。いずれにしろ、なにゆえ別の存在が出現し
て夜中に歯を磨いたり、朝、早めに出かけたりする必要があったのか、その理由がよく
分からなかったので、彼に何点かを質問してみることにした。
【質問】
あなた自身はタバコは吸われましたか?
はい。でも、吸い終わった吸殻は灰皿ではなくトイレの「床」に落ちていたのです。トイレに灰皿はありませんでしたが、タバコの吸殻を自宅トイレの「床」に捨てるなんて、常識的に考えられません。(僕なら便器に捨てて流すと思います)
歯ブラシと歯磨きチューブについては、不思議に思った彼女が毎晩歯ブラシをカップに入れて棚の上に置いたのを確認してから寝ていました。ところが、朝になると、僕の歯ブラシと歯磨きチューブだけが、(カップから出て)洗面台の上にあったのです。(こうした現象が4日くらい続きました)
弟さんが目撃したその日には、あなたは朝早めに出かけていく用事があったのですか?
いえ、ありませんでした。僕はリビングの奥の寝室、彼女の弟は玄関横の部屋で寝ていました。彼女の弟が寝ていた部屋はドアが開いていたので、廊下を歩いて玄関へ向かう僕の姿がはっきり見えたそうです。
その朝は僕にとっては、普段と変わらない普通の一日の始まりで、特に急ぎの予定があったわけでも、その日突発的に何か起きたという事もありませんでした。
都築氏からの返信メールを読むと、同棲していた彼女やその弟さんが目撃した人物は、
彼とは考えや行動の異なる存在であ
ったことは間違いなさそうである。吸い殻の床への投げ捨ては都築氏には信じられないことだと言うから、なおさらである。
ただその容姿については、二人が目の前でその姿を見ているわけであるから、都築氏と瓜二つであったことは間違いないようである。それにしても、別人格が4日間も同室して同じような行動を繰り返していたという点は、前回掲載した山本さんたちの例とはかなり違ったケースのように思われる。
次回に掲載する事例は、同じ都築氏が経験したさらに驚くべき体験で、本人とはまったく別の人生を歩んでいると思われる、新たな別人B1、B2が登場することになる。