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猛暑が続き、水を求めるニューヨーク市民
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米国
このところ我が国でも各地で厳しい暑さが続いているが、この傾向は世界的現象でこの6月世界の平均気温は、135年の観測期間中最も高い気温となっていたことが、ドイツの研究機関から発表された。 我が国の異常気象は猛暑による水不足にしろ、大雨による洪水にしろ、その程度は世界各地のそれに比べると、小規模なものである。 それを知っておいてもらわないと、地球の気候変動が凄い勢いで進んでいることを見逃してしまう。
米国西海岸の猛暑と干ばつはかねてからお伝えしてきている通りであるが、一転して、カリフォルニア州南西部や、アリゾナ州、フェニックスでは大雨による洪水が発生。 ロスアンジェルスとサンディアゴでは、19日の段階で7月としては最高の雨量を記録している。 とにかく気候が高温、寒冷、多雨、干ばつそれぞれの面で極端になっていることは間違いない。
一方、竜巻や洪水に見舞われてきていた米国・東海岸でも、7月以降、テキサスからフロリダ州に至る広いエリアで、例年にはない猛暑に見舞われている。 各地の体感温度は37.8度と体温を上回る日々が続き、南部テキサス州では猛暑で道路のアスファルトがめくり上がっている。
中西部カンザス州やフィラデルフィア近郊では、車の中に閉じ込められた子供を熱中症から救うために、一般市民や警官が車の窓を割る映像が映されている。
また、例年なら比較的低い気温のニューヨークシティーでも、高温で電線が発火して停電、信号も故障して電車がストップ。 ニューヨーク市長は節水ならぬ節電を呼びかけているのは、冷房による電気消費が度を増しているからである。
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南部テキサス州では、高温でアスファルトがめくり上がっている
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アリゾナ州を襲った洪水。 高温、洪水、竜巻、米国の気候変動は尋常ではない。
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ヨーロッパ
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フランス全域が高温と干ばつに見舞われ、アン県では大規模な山火事も発生している
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猛暑の状況はヨーロッパでも同様。フランスではほぼ全土、40の県で高温と乾燥が続き、給水制限がとられている。 中でもアン県ではここ1ヶ月ほど雨が降らない日々が続き、猛暑と干ばつで山火事が発生する一方、作物が枯れ農業に大きな被害が出ている。
財政再建で揺れるギリシャ。 政府の台所が「火の車」となっている一方で、17日、猛暑と乾燥によって何ヶ所かで山火事が発生し、首都アテネの近郊の山イベント山の火災では煙がアテネ中心部にも及び、郊外の市民が避難に追いこまれている。 午後にはチプラス首相も消火対策本部を訪れ、財政ならぬ山火事の鎮火に努めている。
経済危機の中、経費削減に努めるギリシャだけに消火対策も十分に出来ておらず、独自の力では火災の広がりを押さえきれないようだ。 そのため、近隣のEU各国に支援を要請するところとなっている。 これではEUやユーロ圏から脱退することなどとても無理だ。 国民は厳しい年金削減や消費税の増税にも耐えるしかなさそうである。
東南アジア
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タイでは猛暑と干ばつで貯水湖が干し上がってきている
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東南アジアの猛暑と干ばつも凄い。 パキスタンとインドの猛暑では併せて3200人を超す熱中症による死者が出ている。 一方、タイでも干ばつによる被害が広がっている。 5月には雨期が始まるタイであるが、今年はまとまった雨が降らず、農業に大きな被害が出始めている。
タイ西部にあるダーク県の国内最大ダムもほぼ干し上がった状態で、あと2週間ほどしか貯水量がなく、その間に雨が降らなければ農業用水だけでなく、飲み水にも甚大な影響が出てくることになりそうである。
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